最近の小学校では家庭訪問をしないところが増えてきています。そんなことも知らず、筆者は子どもの入学前から家庭訪問のことを考えていました。

家庭訪問の思い出はたくさんあります。担任の先生が来るということで、母が大掃除をしたり普段は買わないようなケーキ屋さんでケーキやお茶菓子を買ってきたり…。先生が席を立ち、家を出た瞬間に残ったお茶菓子に手を伸ばしていたのを昨日のことのように覚えています。

家庭訪問は今もあると思っていたら…

自分もかつての母のように大掃除をしたりお茶菓子を準備したりと慌ただしくなると思っていたのですが、配布された年間予定表を見ても「家庭訪問週間」という文字を見つけられません。気になった筆者は、高学年のお子さんがいる知り合いのママさんに聞いたところ、意外な言葉が返ってきたのです。

「数年前に家庭訪問は中止になったのよ」

さらに話を聞くと、先生たちが受け持ちの生徒の通学路を確認する自宅確認のみになったことが分かりました。これを聞いて、掃除をしたりお茶菓子を準備する必要がないのかと思い、ホッとしました。その一方で、家庭訪問がないことの弊害も感じるようになったのです。

そこで今回は、家庭訪問がなくなった理由や、家庭訪問がないことで気がついた保護者としての3つのデメリットを取り上げます。

イマドキの小学校で家庭訪問がなくなったのは?

保護者世代には馴染みのある家庭訪問がなくなっている理由を、昨今の学校や家庭をめぐる状況から考えてみます。

家庭の負担軽減

保護者が仕事をしていると、家庭訪問のために休みを取ったり早退したりして、先生を迎える準備をしなければなりません。筆者の母も、当日はパートを早退して慌ただしく掃除などをしていました。共働き家庭も増えてきている今、こうした負担を軽減する必要が理由として考えられます。

先生の負担削減

家庭訪問をする際、先生方は広い学区をいくつかに分け、今日はA地区、明日はB地区というように、訪問する地区と曜日をワンセットにします。歩きながら訪問しますし、事前の準備にも時間が取られます。受け持ちの生徒を全て回る家庭訪問は1週間~10日程かかり、他の仕事が溜まりやすくなるでしょう。こうした先生側の負担削減のためもあり、家庭訪問を中止する流れが加速していると思われます。

脱ゆとりで増えた授業時間の確保

2011年度から完全に脱ゆとり教育としてスタートした現在の学習指導内容では、それ以前より授業時間が増えています。そのため、何日も短縮授業が続く家庭訪問を中止して授業時間を確保する必要があるということも考えられます。

家庭訪問がないことで感じたデメリット

保護者としては、家庭訪問の負担がなくなって嬉しい反面、やはりデメリットも感じています。