2.1 アサヒの「のれん」と減損リスクの顕在化
泉田氏が指摘した「のれんの減損リスク」は、決して杞憂ではありません。
アサヒグループホールディングスの最新の財政状態計算書(2025年9月末時点)を見ると、資産合計約5兆5779億円に対し 、「のれん及び無形資産」は約3兆4455億円と、資産の半分以上を占めています。
実際に同決算の損益計算書では、東アジア・東南アジアの酒類事業などに関連して253億円の減損損失が計上されています。
これにより、足元の営業利益は1587億1200万円(前年同期比18.0%減)と大きく落ち込んでおり 、システム障害(2025年9月29日以降発生)の対応費用とともに業績を圧迫しています。
海外M&Aを推進する企業に投資する際は、こうした「のれんリスク」を把握しておくことが重要であるという泉田氏の解説の裏付けとなっています。
3. アサヒ・キリンの株価推移と「ディフェンシブ銘柄」の特性
一方で、アサヒとキリンの株価がTOPIXに対して大きく負けている状態について、同氏はビール業界の銘柄が一般的に「ディフェンシブ銘柄」と呼ばれている特性によるものだと説明しています。
ディフェンシブ銘柄とは、景気の動向に左右されにくい企業の銘柄を指します。
景気が悪くてもビールを飲む人は一定数いるため、株価がクラッシュするような局面でも大きく下がりにくい(アウトパフォームする)という強みがあります。
しかし逆に、市場全体が一本調子で上昇している局面では、株価が市場の勢いについていきにくく、出遅れてしまう傾向があるのだと紹介していました。