20歳になると「国民年金」に加入する義務があります。そのため、20歳になってから約2週間以内に日本年金機構から「基礎年金番号通知書」や納付書が届きます。関係なさそう…と破棄しないように注意しましょう。
ただし、20歳ですでに会社員や公務員として「厚生年金」に加入している方は、保険料が給与から天引きされるため、個別に納付書が届くことはなく、自分で直接納める必要もありません。
2026年度(令和8年度)の国民年金保険料は、前年度から引き上げられ月額1万7920円となります。
学業に勤しむ学生にとって非常に大きい負担となるでしょう。
そこで日本年金機構では「学生納付特例制度」という納付を猶予する制度を設けています。対象者や申請方法、注意点を解説していきます。
1. 【2026年度】国民年金保険料は「月額1万7920円」
日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人は、国民年金への加入が義務づけられています。
国民年金保険料は年々変動しており、2026年度(令和8年度)は以下の通り決定しました。
1.1 国民年金保険料の推移(2025年〜2027年)
- 2025年度(令和7年度): 1万7510円(前年比+530円)
- 2026年度(令和8年度): 1万7920円(前年比+410円)
- 2027年度(令和9年度): 1万8290円(前年比+370円)
勉強に専念する時期は十分な収入を得るのが難しく、保険料の支払いが大きな負担になりがちです。たとえ収入があっても、日々の暮らしで精一杯というケースも少なくないでしょう。こうした学生特有の事情を考慮し、国は保険料の納付を後回しにできる「学生納付特例制度」という救済措置を設けています。
2. 納付が猶予される【学生納付特例制度】とは?
「今は払えないから放置でいいや」という安易な未納はNGです。学生納付特例制度を検討しましょう。
この制度は、所得が基準以下の学生を対象に、申請手続きを行うことで「在学中の保険料納付を後回し(猶予)」にできる仕組みです。
「未納(放置)」と「猶予(申請済み)」は全く別物ですので違いを理解しておきましょう。
2.1 未納
もし在学中に大きなケガや病気で障害が残っても、保険料が未納だと「障害基礎年金」を1円も受け取れません。
2.2 猶予
一方、特例の承認を受けていれば、実際に納付はしていなくても「年金に加入している期間」として扱われます。これにより、万が一の際の障害年金や遺族年金の受給権がしっかり守られます。
将来もらえる「老齢基礎年金」の受給資格(10年の加入期間)にも算入されるため、たとえ今はお金がなくても、「申請だけはしておく」ことが将来の自分を助けることにつながります。
3. 「学生納付特例制度」どんな人が対象になる?
「学生納付特例制度」はほとんどの学生が対象になりますが、要件をチェックしておきましょう。
3.1 所得基準(本人の所得のみ)
家族(親)の年収がどれだけ高くても関係ありません。「学生本人」の所得が以下の範囲内であればOKです。
128万円 + 扶養親族等の数 × 38万円 + 社会保険料控除等
アルバイト代から給与所得控除(55万円)を引いた額で計算するため、年収「193万円以下」であれば対象となります。
3.2 対象となる学校
- 大学(大学院)、短期大学
- 高等学校、中等教育学校
- 高等専門学校、専修学校
- 各種学校(修業年限1年以上かつ都道府県知事認可)
- 夜間・定時制・通信制も対象
4. 「学生納付特例制度」スマホで申請が完結する!
20歳になってから約2週間で日本年金機構から国民年金の加入案内や納付書などが届きます。ここに学生納付特例制度の申請書と返信用封筒も同封されています。
郵送で申請もできますが、マイナポータルとねんきんネットを連携させればスマホ1つで完結できます。
4.1 申請の4ステップ
- マイナポータルにログイン: マイナンバーカードをスマホで読み取る
- 「ねんきんネット」と連携: 初回のみ連携設定が必要
- 申請メニューを選択: 「国民年金保険料に関する手続き」から「学生納付特例」を選択
- 学生証をアップロード: スマホのカメラで学生証(裏面に有効期限がある場合は両面)を撮影し、添付して送信
4.2 メリット
- 基礎年金番号などが自動入力されるため、入力ミスが激減。
- 24時間いつでも、自宅から申請可能。
- 承認結果もマイナポータルで確認できる。
5. 「学生納付特例制度」毎年度申請が必要!
意外と忘れがちなのが、この制度が単年契約のような仕組みだということ。進級するたびに再申請を行う必要があります。
継続して在学している場合は、送られてくるハガキを返送するだけで手続きが完了しますが、紛失が心配な方はスマホでの電子申請を活用しましょう。
また、もし「1年生の時に申請し忘れていた」という場合でも、過去2年1カ月分までなら遡って申請できる救済措置があります。未納期間をそのままにせず、今からでも手続きを行いましょう。
※行き違いの納付書に注意!
申請書を出した直後に納付書が届くことがありますが、これは単なる「入れ違い」です。特例が認められれば支払う必要はなくなるため、審査結果を待たずに二重で支払ってしまわないよう気をつけてください。
6. 働き始めたら「追納」しないといけない?
学生納付特例を受けた期間は、将来もらえる年金額には反映されません。
そのまま放置すると、満額の年金をもらうことはできなくなりますので注意しましょう。
では、猶予されていた期間の保険料はどうすれば良いのか。答えは「追納」です。
10年以内であれば、後から保険料を納めることができます。
社会人になって給料をもらえるようになってから、少しずつ「過去の自分」のために投資するイメージです。
なお、追納した保険料は、その年の「社会保険料控除」の対象となり所得税・住民税が安くなります。
働いてから追納する方が、税制面でお得になるケースが多いのです。
7. まとめ
2026年度(令和8年度)から、国民年金保険料は月額1万7920円へと引き上げられます。
勉強や研究に励むなか、毎月2万円に迫る出費は決して小さくありません。
無理をして生活を切り詰める前に、国が認めた「猶予」の権利を使いましょう。この制度を利用すれば、今の支払いはゼロでも、万が一の際の保障(障害年金)はしっかり確保できます。



