桜が美しい季節。千鳥ヶ淵をはじめとする日本屈指の桜の名所の近くに、東京国立近代美術館があります。

皇居に隣接する北の丸公園内にあるこの美術館、3月17日から「下村観山展」が開催されています。

この企画展は、明治から大正、昭和初期にかけて、日本の新しい絵画の道を切り拓いた天才画家、下村観山の生誕150年を記念した大規模な回顧展になっています。

本記事では、岡倉天心や横山大観、菱田春草らと共に、日本画の近代化に命を懸けた観山の画業をたどる、またとない機会である「下村観山展」の詳細と、展示の見どころをご紹介します。

「芸術と自然の競演」を同時に味わえるのは、この時期、この場所ならではの贅沢な体験です。

なお、会期は2026年3月17日(火)~5月10日(日)となっています。

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1. 【下村観山展】今、この春にこそ見たい一大展覧会開催概要

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国立近代美術館「下村観山展」

出所:「下村観山展」企画展

今回の「生誕150年 下村観山展」は、初期の修業時代の作品から、海外留学を経てたどり着いた円熟期の傑作までを一堂に会した、集大成となる展覧会です。

1.1 「下村観山展」開催概要

展覧会名:下村観山展

会場:東京国立近代美術館 1F 企画展ギャラリー

会期:2026年3月17日(火)~5月10日(日)
※会期中、一部の作品の展示替えを行います。

  • 前期展示:3月17日(火)~4月12日(日)
  • 後期展示:①4月14日(火)~5月10日(日)、②4月14日(火)~4月26日(日)、③4月28日(火)~5月10日(日)

休館日:月曜日(ただし、3月30日、5月4日は開館)

開館時間:10:00~17:00(金曜・土曜は10:00~20:00)
※入館は閉館の30分前まで

観覧料:

  • 一般 2000円
  • 大学生 1200円
  • 高校生 700円

※中学生以下、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。

2. 【下村観山展】注目すべき作品紹介

本企画展で展示されている作品の一部をご紹介します。

2.1 《魚籃観音》1928(昭和3)年 西中山 妙福寺蔵

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国立近代美術館「下村観山展」

出所:《魚籃観音》1928(昭和3)年 西中山 妙福寺蔵 (通期展示)

観山の卓越した線描が光る傑作です。

伝統的な仏画の様式に、西洋的な写実性と近代的な気品を融合。まさに「東洋絵画×西洋絵画」といえます。

慈愛に満ちた表情や流麗な衣の線は、観山の高い精神性と技術の到達点を示しています。

2.2 《ディオゲネス》1903-05(明治36-38)年頃 大英博物館蔵

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国立近代美術館「下村観山展」

出所:《ディオゲネス》1903-05(明治36-38)年頃 大英博物館蔵 ©The Trustees of the British Museum (通期展示)

下村観山は、2年間のイギリス留学を経験しています。

その留学を経て、西洋の写実を吸収した観山の到達点を示す重要作。東西の美意識が交錯する、観山の国際的な視野と卓越した技量が凝縮された一幅です。

3. 【下村観山展】屛風に描かれた青緑色の獅子、古代インド神話に由来の神

続いて屏風の作品もご紹介しましょう。

3.1 《獅子図屏風》1918(大正7)年 水野美術館蔵

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国立近代美術館「下村観山展」

出所:《獅子図屏風》左隻 1918(大正7)年 水野美術館蔵 (後期展示①4/14-5/10)

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国立近代美術館「下村観山展」

出所:《獅子図屏風》右隻 1918(大正7)年 水野美術館蔵 (後期展示①4/14-5/10)

伝統的な屏風形式を用いながら、西洋的な写実で獅子の筋肉や毛並みを緻密に描いた作品。

狩野派の様式美と近代的な解釈が融合し、勇壮な力強さと気品が共存する大作です

3.2 《毘沙門天 弁財天》1911(明治44)年 徳島県立近代美術館蔵

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国立近代美術館「下村観山展」

出所:《毘沙門天 弁財天》左隻 1911(明治44)年 徳島県立近代美術館蔵 (後期展示①4/14-5/10)

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国立近代美術館「下村観山展」

出所:《毘沙門天 弁財天》右隻 1911(明治44)年 徳島県立近代美術館蔵 (後期展示①4/14-5/10)

剛勇な毘沙門天と優美な弁財天を対照的に描いた二幅対。

確かな写実力に基づき、神仏の威厳と慈愛を表現しています。古典的主題に近代的な気品を吹き込んだ、卓越した線描と洗練された色彩が光る、円熟期の秀作です。

4. 【下村観山展】日本の近代美術史に多大なインパクトを残した下村観山

下村観山は、わずか9歳で狩野派の門を叩き、「神童」と呼ばれました。しかし、彼はその才能に甘んじることなく、常に「日本画にしかできない新しい表現とは何か」を問い続けたそうです。

伝統を大切に守りながらも、壊すことを恐れず進化させた観山の作品に、この春、ぜひ触れてみてください。

また、展覧会ではオリジナルグッズも販売中。こちらもチェックしてみてくださいね。

参考資料

LIMO編集部