理由1. 家庭での歯磨き習慣が定着しているかどうか確認する

筆者も3人の子供達を育てていますが、第一子の時に比べて第三子の時は歯科検診でのチェックや虫歯予防の説明に、より時間が割かれていました。

園生活が始まる前は、歯のケアはほぼ家庭任せです。乳児時代から保育園に通園している子供は園で歯磨きをすることもありますが、やはり家庭で行うことで確実に定着します。集団健診の際には歯科衛生士から、歯磨きをしっかりしていない乳歯は虫歯になりやすく、かつ永久歯も虫歯になりやすくなると説明を受けました。

家庭での歯磨きのやり方が分からないお母さんやお父さんには、別室で質問タイムを設けるなど、歯磨きについて重点的に伝えようとしている印象を受けました。

理由2. 育児放棄や虐待の早期発見につながる

また、歯磨き習慣の有無や口内崩壊から育児放棄や虐待のサインもキャッチできます。

3人の子育てを通じて感じましたが、乳幼児健診では体をくまなくチェックされるようになりました。実際、第一子の時は流れ作業で健診が終わったの対し、第二子以降は保育士さんが気になる乳幼児を丁寧に調べているのを見かけたことがあります。

その流れは歯科検診でも同じで、虫歯の有無はもちろんのこと歯茎なども厳しくチェックするようになってきたのです。子供の口内状況を見れば、親子間や養育者との関係性も見えてきます。筆者がかつて出会った男の子のように、乳歯がボロボロでも周囲の大人が放置しているのは、育児放棄に近い状態ともいえるでしょう。

理由3. 保護者の予防歯科への意識を高める

乳幼児の歯科検診では、最近では虫歯以上に問題視されている子供の歯周病などの説明もありました。健康な歯を保つには、歯が生えた頃から適切なケアをしていくことや、かかりつけの歯科医を持つことの大切さを教えてくれました。

筆者自身、子供の頃は「虫歯が出来た→歯医者に行く」ということの繰り返しでした。しかし、集団歯科検診を受けて、昨今は予防歯科の傾向が強まり、虫歯を防ぐことが重要視されていると感じています。保護者世代とは歯に対する意識が変わったことを理解したので、筆者の子供達も定期健診を受けるようにしています。

まとめ

乳幼児の歯のトラブルは放置しておくと長期化し、一生涯にわたって影響を及ぼす可能性があります。確かに、歯科医院に定期的に通うと時間もお金もかかります。とはいえ、「乳歯だから平気」と何の対策もしないままだと、後々治療によりお金がかかったり、ずっと歯のトラブルで悩まされることにもなります。

子供の健康の中でも、特に歯は家庭任せになっていたのが実情です。しかし今では、自治体での乳幼児健診で以前よりも時間をかけて啓蒙活動をし、歯の衛生状態への関心を高めようとしているようです。子供の将来のためにも、歯の健康に気を配りたいものです。

中山 まち子