来月4月は年金の支給月です。公的年金制度の一つに「障害年金」があり、病気やけがによって生活や仕事に支障が生じた場合、一定の条件を満たすことで受け取れる可能性があります。

障害年金は、加入している年金制度によって「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2層構造となっているのが特徴です。

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障害年金は2階建て

LIMO編集部作成

今回は万が一のセーフティネットである「障害年金」の2026年度(令和8年度)からの改定額や制度の概要について整理します。

1. 障害年金、2026年度も増額改定!月額「1級8万8260円、2級7万608円」

2026年度の年金額は、総務省が公表した2025年の全国消費者物価指数を踏まえて改定されました。これにより、国民年金(基礎年金)は前年度より1.9%、厚生年金の報酬比例部分は2.0%引き上げられています。

障害基礎年金の月額は、2級が7万608円です。1級の場合はその1.25倍となり、8万8260円(子の加算あり)となります。

また、厚生年金に加入していた人が受給する「障害厚生年金」は、この基礎年金に上乗せされる形で支給されます。1級または2級に該当する場合、基礎年金と厚生年金の両方を受け取れる点が大きな特徴です。

2026年度の障害年金「年金月額」3/6

2026年度の障害年金「年金月額」

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

なお、障害厚生年金には独自の「3級」があり、障害の程度や過去の保険料納付状況に応じて支給額が決まります。配偶者がいる場合には加給年金が付くケースもあります。

2. 障害年金、「上乗せ給付」障害年金生活者支援給付金「2026年度はいくら?」

2026年度は、年金額だけでなく生活を支える給付金も見直されています。

2.1 「年金に上乗せ」障害年金生活者支援給付金

「障害年金生活者支援給付金」は、2019年の消費税率引き上げによる物価上昇を背景に、所得が一定水準以下の障害年金受給者の生活を支える目的で創設された制度です。対象となる人には、通常の年金に加えて給付金が支払われます。

2026年度「障害年金生活者支援給付金」給付額4/6

2026年度「障害年金生活者支援給付金」給付額

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

2026年度の月額は以下の通りです。

  • 1級:7025円(前年度より212円増)
  • 2級:5620円(前年度より170円増)

2.2 年金とは別に設けられている各種手当

障害のある人やその家族を支援する制度は、年金以外にも複数あります。これらはそれぞれ目的や対象が異なります。

特別障害給付金

国民年金に任意加入していなかった期間に障害を負い、障害年金を受け取れない人を支援する制度です。

  • 1級:月5万8650円
  • 2級:月4万6920円

特別児童扶養手当

20歳未満で一定以上の障害がある子どもを育てている保護者に支給される制度です。

  • 1級:月5万8450円
  • 2級:月3万8930円

特別障害者手当

20歳以上で、重度の障害があり在宅で常時介護が必要な人が対象となります。

  • 月額:3万450円

障害児福祉手当

20歳未満で日常生活において常時介護が必要な重度の障害がある子どもが対象です。

  • 月額:1万6560円

3. 障害年金、《精神・知的障害》の支給件数が最多!「再認定の約8割」

障害年金は、身体的な障害だけでなく、さまざまな病気が対象となる可能性があります。また、必ずしも障害者手帳を持っている必要はありません。

対象となる主な例として、次のようなものがあります。

  • 精神・知的障害:統合失調症、うつ病、認知障害、発達障害など
  • 外部障害:手足の不自由、眼・耳の障害など
  • 内部障害:がん、糖尿病、心疾患、呼吸器疾患、腎疾患、血液疾患など

2025年9月、日本年金機構は「障害年金業務統計(令和6年度決定分)」を公表しました。支給された中で「どの障がいが多かったのか」診断書種類別の支給件数を確認します。

令和6年度 診断書種類別の支給件数6/6

令和6年度 診断書種類別の支給件数

出所:日本年金機構「障害年金業務統計(令和6年度決定分)」

支給決定の件数で最も多かったのは精神・知的障害でした。

  • 新規裁定(新しく受給が決まったケース):約8万7000件で全体の67.0%
  • 再認定(更新):約24万件で全体の79.1%

精神・知的障害の分野で、多くの人が支給対象となっていることがわかります。

4. まとめにかえて

障害年金は、病気やけがによって生活が大きく変わったときの重要な支えとなる制度です。物価の上昇に合わせて支給額が見直される一方で、原則として数年ごとに更新手続きが必要になる点も覚えておきたいところです。

「自分には関係ない」と思いがちですが、公的制度の内容を知っておくことは、万が一のときに家計を守るための備えにもつながります。受給を検討する際には、初診日の証明や保険料の納付状況などの要件を早めに確認しておくことが大切です。

参考資料

村岸 理美