障害年金は、病気やけがにより生活や就労が制限された場合に支給される重要な制度です。

2026年度は、物価や賃金の動向を踏まえて年金額が見直され、障害基礎年金や関連する給付金も増額されています。

本記事では、2026年度の改定内容を中心に、障害年金と給付金制度のポイントを整理していきます。

1. そもそも「障害年金」とは?障害年金の等級はどう決まる?

障害年金は、病気やけがの影響で日常生活や仕事に支障が出た場合に支給される公的年金で、現役世代でも受け取ることができる制度です。

支給の可否は、障害の状態に応じて定められた等級によって判断され、等級は1級から3級まで区分されており(基礎年金は1・2級のみ)、日常生活への影響の度合いなどをもとに認定される仕組みです。

この等級によって受け取れる年金の種類や金額が変わるため、自分の状態がどの区分に該当するのかを把握しておくことが大切です。

障害年金は「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2つで成り立っており、初診日に加入していた年金制度によって請求先が異なります。

国民年金に加入していた場合(または20歳前の年金未加入期間などに初診日がある場合)は障害基礎年金、厚生年金に加入していた場合は障害厚生年金の対象となります。

さらに、所得が一定水準以下の場合には、年金に上乗せされる形で「障害年金生活者支援給付金」が支給されることもあります。

2. 【2026年4月から】障害基礎年金は「1級:月額約8.8万円、2級:月額約7万円」に

続いて、障害年金の令和8年4月分からの改定内容を確認しておきましょう。

障害年金は2階建て1/5

障害年金は2階建て

LIMO編集部作成

障害基礎年金は、2級の月額が7万608円、1級はその1.25倍にあたる8万8260円です。

なお、子がいる場合は別途加算があります。

一方、障害厚生年金は2階部分に位置づけられ、1級・2級に該当する場合は、厚生年金に加えて基礎年金もあわせて受給できます。

2026年度の障害年金「年金月額」2/5

2026年度の障害年金「年金月額」

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

「1級は2級の1.25倍」という考え方は、障害厚生年金(報酬比例部分)にも同様に適用されます。

さらに、一定の条件を満たす場合には、配偶者に対する加給年金などが加算される仕組みです。

3. 【2026年4月から】障害年金生活者支援給付金は「1級:7025円、2級:5620円」に

2026年度は、年金本体の見直しに加え、生活を支える「給付金」についても増額が行われます。

ここでは、年金に上乗せして支給される障害年金生活者支援給付金の内容について確認していきましょう。

障害年金生活者支援給付金は、2019年の消費税率引き上げ分を活用し、生活への配慮が必要な方を支える目的で創設された制度です。

この給付金は、障害基礎年金を受給している方のうち、一定の所得基準を満たす場合に、通常の年金に上乗せして支給されます。

2026年度「障害年金生活者支援給付金」給付額3/5

2026年度「障害年金生活者支援給付金」給付額

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

月額支給額の目安(障害等級別)

  • 1級:7025円(対前年度+212円)
  • 2級:5620円(対前年度+170円)

3.1 障害年金生活者支援給付金はどんな人が支給対象になる?

  • 障害基礎年金の受給者である
  • 前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額)

※ 障害年金、遺族年金等の非課税収入は除く

4. 【障害年金生活者支援給付金】総数217万件超!最多は50歳代

厚生労働省が公表した「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」では、障害年金生活者支援給付金の実態も示されています。

ここからは、どの年代に受給者が多いのかを見ていきましょう。

障害年金生活者支援給付金(2025年3月)4/5

障害年金生活者支援給付金(2025年3月)

出所:厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

受給件数の分布

  • 30歳未満:26万6276件
  • 30歳代:31万6202件
  • 40歳代:37万1772件
  • 50歳代:46万8876件
  • 60歳代:38万4626件
  • 70歳代:26万4423件
  • 80歳代以上:10万4991件

受給件数は約217万件に達しており、平均給付額は月額5727円、年額ではおよそ6万8000円となっています。

年齢別では50歳代が約46万件と最も多く、次いで60歳代、40歳代の順となっています。

この結果から、年金生活者支援給付金は高齢者に限った制度ではなく、現役世代の生活も支える役割を担っていることが分かります。

病気や事故といったリスクは、どの世代にとっても無関係ではないといえるでしょう。

5. 【早めの確認を】障害年金生活者支援給付金は手続きが必要!

今回は、障害年金の改定内容と給付金制度の要点について整理しました。

基礎年金と厚生年金の2階建ての仕組みにより、加入状況に応じて受給額が変わる点が特徴です。

年金生活者支援給付金は1級で7025円に引き上げられ、なかでも50歳代を中心に多くの人が受給しています。

物価上昇が続くなかで、生活を支える重要な制度といえるでしょう。

本制度は自動的に支給されるものではなく、受給には請求手続きが必要です。

制度の内容を正しく把握したうえで、早めに手続きの有無を確認しておきましょう。

6. 障害年金と給付金の仕組みを理解しておこう

本記事では、2026年度の改定内容を中心に、障害年金と給付金制度のポイントを解説しました。

障害年金は、基礎年金と厚生年金からなる2階建ての制度であり、等級や加入状況によって受給内容が異なります。

2026年度は、障害基礎年金が1級約8万8000円、2級約7万円へと見直され、あわせて障害年金生活者支援給付金も増額されました。

この給付金は自動支給ではなく、請求手続きが必要です。

制度の内容を正しく理解し、対象となる可能性がある場合は早めに確認しておくことが大切です。

なお、実際には、こうした給付金があっても、ゆとりのある生活を維持するのが難しいという声も少なくありません。

そのため、早い段階から民間の保険について検討しておくことも一つの選択肢といえるでしょう。

民間保険は、一般的に若いうちの方が有利な条件で加入しやすいとされています。

まずは、自分に合った保障内容を把握するためにも、情報を確認してみることが大切です。

参考資料

筒井 亮鳳