3月に入り、日ごとに春の訪れを感じる日差しが増えてきました。

年度末を迎え、多くの方が日々の業務に追われる一方で、確定申告などを通じて家計を見直し、ご自身の将来設計について思いを巡らせている時期かもしれません。

特に春は、進学や就職といった新生活の準備で出費がかさみがちです。

このようなタイミングだからこそ、一度立ち止まり、老後の資金計画について具体的に考えてみるのも良いのではないでしょうか。

老後の生活費の一つの目安として「月15万円」という金額が挙げられることがありますが、近年の物価上昇を考慮すると、この金額だけで安定した生活を送ることに不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。

ちなみに、次回の年金支給日は4月15日です。

それでは、実際に年金を「毎月15万円(年180万円)以上」受け取っている方は、全体のどのくらいの割合を占めるのでしょうか。

本記事では、厚生労働省の公表データに基づき、65歳以上の方々の公的年金の受給実態を詳しく解説します。

1. 日本の公的年金は「2階建て」が基本構造

日本の公的年金制度は、基礎となる「国民年金」と、その上に乗る「厚生年金」から成る2階建ての仕組みになっています。

ここでは、それぞれの年金制度の基本的な特徴について確認していきましょう。

1階部分:国民年金(基礎年金)の概要

  • 加入対象:原則として日本国内に居住する20歳以上60歳未満のすべての方
  • 保険料:加入者全員が定額ですが、年度ごとに見直されます(※1)
  • 受給額:保険料を全期間(480カ月)納付すると、65歳から満額の老齢基礎年金が受け取れます(※2)。未納期間がある場合は、その期間に応じて満額から減額されます

※1 国民年金保険料は2025年度で月額1万7510円です。
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額は、2025年度で月額6万9308円です。

2階部分:厚生年金の仕組み

  • 加入対象:会社員や公務員のほか、パートタイマーなどで特定適用事業所(※3)に勤務し、一定の要件を満たす方が国民年金に上乗せして加入します
  • 保険料:収入に応じて決定されます(上限あり)(※4)
  • 受給額:加入期間や納付した保険料額によって個人差が生じます

2階部分に相当する厚生年金は、会社員や公務員などが国民年金に加えて加入する制度です。

厚生年金は、加入対象者や保険料の決定方法、受給額の計算式が国民年金と異なるため、将来の年金額は現役時代の働き方や収入によって大きく変わってきます。

また、公的年金の支給額は、物価や現役世代の賃金の変動を反映して毎年度改定されるという点も、理解しておきたい重要なポイントです。

※3 特定適用事業所とは、1年のうち6カ月以上、厚生年金保険の被保険者(短時間労働者や共済組合員は除く)の総数が51人以上となる見込みの企業などを指します。
※4 厚生年金の保険料は、標準報酬月額(上限65万円)と標準賞与額(上限150万円)に保険料率を乗じて算出されます。