老後にもらえる公的年金の額は毎年改定されています。
2026年度の年金額は4月分から改定され、6月15日の支給分から新しい金額が適用されますが、実際にいくらもらえるようになるのでしょうか。
今回は、2026年度の年金額改定で発表された標準的な受給額や今年の年金支給スケジュールをご紹介します。
老齢年金の受給額を増やす方法もあわせて解説していくので、ぜひ本記事を参考に老後の年金について見通しを立ててみましょう。
1. 【2026年版】年金額改定でいくらもらえるようになった?
2026年1月23日、厚生労働省から2026年度の国民年金・厚生年金の年金額が発表されました。
ここでは、発表をもとに老齢年金の標準的な受給額をご紹介します。
1.1 老齢年金の標準的な受給額
2026年度の年金受給額は、国民年金(1人分)が満額で月7万608円(※1)、厚生年金(夫婦2人分の標準的な年金額※2)は23万7279円と発表されました。
前年度と比較すると、国民年金が1.9%の引き上げ、厚生年金が2.0%の引き上げとなっています。
物価・賃金の上昇に伴い、年金支給額も増額されています。
※1 令和8年度の昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額)は、月額70,408円です。
※2 平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45.5万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
2. 【2026年版】年金支給スケジュール《2カ月に一度、偶数月の15日が支給日です》
公的年金は原則年6回に分けて支給され、支払日は偶数月の15日です。
15日が土日・祝日の場合はその直前の平日に支払われます。
2026年の年金支給スケジュールは以下の通りです。
2026年の年金支給スケジュール3/4
各種資料をもとに著者作成
各支払日には2ヶ月分の年金が支給される仕組みとなっています。
支給されるスケジュールを参考に、資金計画を立てましょう。
3. 老齢年金の受給額を増やす3つの方法
改定された年金額をご紹介しましたが、もっと多くの年金を受給するためにはどういった方法があるのでしょうか。
ここでは、老齢年金の受給額を増やす方法として以下の3点をご紹介します。
- 繰下げ受給を活用する
- 長く働いて厚生年金期間を延ばす
- 付加年金・国民年金基金を利用する
それぞれの方法をチェックし、受給する年金額を増やす取り組みを実践してみましょう。
3.1 繰下げ受給を活用する
老齢年金は原則65歳から受け取ることになりますが、66歳から75歳までの間に繰り下げて受給することも可能です。
繰下げ受給をすると、繰り下げた期間によって年金額が増額されます。
増額率は「0.7%×65歳に達した月から繰下げ申出月の前月までの月数」で決まります。
70歳から受給開始する場合は42.0%の増額、75歳から受給する場合は84.0%の増額になる仕組みです。
再雇用・再就職などで65歳以降にも働く予定がある場合、すぐに年金を受給する必要性は低いと言えます。
年金の繰下げ受給で月々の受給額を増やすという方法を視野に入れておくと良いでしょう。
3.2 長く働いて厚生年金期間を延ばす
厚生年金の支給額は「厚生年金への加入期間」と「加入期間中の報酬額」という2つの要素で決まります。
加入期間が長いほど支給額が多くなる仕組みであるため、長く働いて厚生年金への加入期間を延ばすというのもひとつの手です。
再就職・再雇用などで定年後も働き続けると、社会とのつながりを維持できて精神的な充実感を得られたり、体力が落ちにくかったりといった利点があります。
また、先ほど解説した繰下げ受給を検討しやすくなる点もメリットです。
老齢年金の受給額を増やす手段として、定年後の再雇用・再就職を検討してみても良いでしょう。
3.3 付加年金・国民年金基金を利用する
国民年金の第1号被保険者と任意加入被保険者は、付加年金や国民年金基金に加入することができます。
いずれも老後の年金を増やす制度であるため、効果的に活用しましょう。
付加年金は、国民年金保険料に月額400円の付加年金を上乗せして納付することで、老齢年金に付加年金が上乗せされる制度です。
付加年金額は「200円×付加保険料納付月数」となっており、2年間受給すると元が取れます。
国民年金基金は、月額6万8000円までの掛金を拠出することで老後に受け取れる年金額を増やす方法です。
拠出する掛金は全額所得控除の対象となり、受け取る年金も公的年金等控除の対象となります。
付加年金・国民年金基金は併用することはできませんが、いずれも老後の年金受給額を増やす手段として有効です。
国民年金の第1号被保険者や任意加入被保険者の方は、活用を検討してみてはいかがでしょうか。
4. 老齢年金の見通しを立てておきましょう
今回は、2026年度の年金額改定で発表された標準的な受給額や年金支給スケジュール、老齢年金の受給額を増やす方法をご紹介しました。
2026年度の年金額は物価や賃金の動向に合わせ、国民年金・厚生年金ともに増額されています。
どれくらいの年金を受給できるのかを踏まえ、資金計画を立てることが大切です。
また、老齢年金の受給額を増やすポイントとして「繰下げ受給を活用する」「厚生年金期間を延ばす」「付加年金・国民年金基金を利用する」といった方法が挙げられます。
物価の高騰や社会保障の負担増などで苦しい時代ではありますが、老齢年金を増やす工夫をしながら豊かな老後生活を送る準備をしておきましょう。
参考資料
丸山 大輝