2. 老後に備えて考えたい医療費や介護費などの突発的支出
老後の家計設計において、多くの人が見落としやすいのが「予測しにくい支出」への備えです。毎月の生活費は比較的見通しが立てやすい一方、医療・介護・住環境整備といった費用は、いつ・どれだけ必要になるかが事前にはわかりません。
介護については、費用の発生タイミングも期間も個人差が大きく、自宅でのケアか施設入居かによっても総額は大きく変わります。軽微で済むケースもある一方で、長期的な施設利用が続いた場合には総費用が500万円を超えることも珍しくありません。
介護が必要になってから動こうとすると、手続きや施設探しに時間がかかり、判断が難しくなることがあります。要介護認定の申請や利用できるサービスの把握は、元気なうちから地域包括支援センターに相談しておくだけで、いざというときの対応がスムーズになります。
医療費についても、高齢になるほど受診頻度は増す傾向にあり、入院・手術が重なると高額療養費制度を活用しても自己負担は無視できない水準になります。加えて、転倒リスクへの対応として自宅のバリアフリー改修が急きょ必要になるといったケースも、決して他人事ではありません。
こうした不測の出費に対応するために有効な考え方が、老後資金を「日常生活用」と「緊急・医療介護用」に分けて管理するというアプローチです。毎月の支出を賄う資金とは別枠で、100〜200万円程度をすぐに引き出せる流動性の高い形で確保しておくことで、いざというときに慌てることなく対応できます。
著者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1000記事以上の執筆実績あり。保有資格は1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引主任士など。合同会社柴田人事労務オフィス代表社員。
監修者
マネー編集部年金班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、地方自治体の公務員や生命保険会社等の金融機関にて勤務経験が豊富な編集者が中心となり、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障制度などをテーマに、丁寧で読者にとってわかりやすい記事の情報発信を行っています。
マネー編集部年金班に所属する編集者は日本生命保険相互会社出身の村岸理美、地方自治体職員出身の太田彩子、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、野村證券株式会社出身の宮野茉莉子、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか等のファイナンシャルアドバイザー経験者等で構成されており、表彰歴多数の編集者も複数在籍しており、豊富な金融知識をもとにした記事に定評があります。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。生保関連業務経験者は過去に保険募集人資格を保有。(最新更新日:2025年6月8日)