2. 老後に備えて考えたい医療費や介護費などの突発的支出
老後の家計設計において、多くの人が見落としやすいのが「予測しにくい支出」への備えです。毎月の生活費は比較的見通しが立てやすい一方、医療・介護・住環境整備といった費用は、いつ・どれだけ必要になるかが事前にはわかりません。
介護については、費用の発生タイミングも期間も個人差が大きく、自宅でのケアか施設入居かによっても総額は大きく変わります。軽微で済むケースもある一方で、長期的な施設利用が続いた場合には総費用が500万円を超えることも珍しくありません。
介護が必要になってから動こうとすると、手続きや施設探しに時間がかかり、判断が難しくなることがあります。要介護認定の申請や利用できるサービスの把握は、元気なうちから地域包括支援センターに相談しておくだけで、いざというときの対応がスムーズになります。
医療費についても、高齢になるほど受診頻度は増す傾向にあり、入院・手術が重なると高額療養費制度を活用しても自己負担は無視できない水準になります。加えて、転倒リスクへの対応として自宅のバリアフリー改修が急きょ必要になるといったケースも、決して他人事ではありません。
こうした不測の出費に対応するために有効な考え方が、老後資金を「日常生活用」と「緊急・医療介護用」に分けて管理するというアプローチです。毎月の支出を賄う資金とは別枠で、100〜200万円程度をすぐに引き出せる流動性の高い形で確保しておくことで、いざというときに慌てることなく対応できます。