「みんなの貯蓄額はどのくらい?」と疑問に思っていても、お金のことは親しい友人にも聞きにくいもの。そこで、今回は年代別のリアルなお金事情をご紹介しましょう。この記事では総務省統計局が2019年5月17日に公表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2018年(平成30年)平均結果-(二人以上の世帯)」をもとに解説します。
1世帯当たり貯蓄現在高の平均値は1752万円だが…
上述の調査によると、2人以上世帯における1世帯当たりの貯蓄現在高と負債現在高の平均値は下記のようになりました。
貯蓄現在高の平均値は1752万円と高額ですが、実は約3分の2(67.7%)の世帯で平均値を下回っているのです。
平均値は一部の高い数字に引きずられやすいため、データを大きい順に並べたときに真ん中にくる中央値のほうが実態に即しているかもしれませんが、その中央値も1036万円と、1000万円を超えている事実におどろく人も少なくないでしょう(貯蓄「0」世帯を含めた中央値は978万円)。
貯蓄現在高における階級別の世帯分布を示したのが下記のグラフです。100万円未満と4000万円以上の階級が共に11%以上を占めており、二極化が進んでいる状況がうかがえます。なお、中央値1036万円を含む階層を赤色で示しました。
約4割の世帯に負債がある
一方、負債現在高の平均値は558万円で、前年に比べ41万円,7.9%の増加となっています。負債を抱える世帯の割合は全体の39.0%。負債がある世帯だけに絞ると、平均値は1430万円、中央値は1147万円にはね上がります。下記のグラフは負債がある世帯の階級別分布を示したものです。
世帯数分布(抽出率調整)とは、サンプル数が違う階層ごとのデータを比較する目的で統計的に処理した数字です。最も割合が高くなったのが1500万円以上の階級でした。負債現在高の内訳を見ると、住宅・土地のための負債が89.8%を占めていることがわかります。