引き続き、家計調査のデータをもとに年代別の貯蓄現在高と負債現在高についてみていきます。

出所:総務省統計局 家計調査報告(貯蓄・負債編)-2018年(平成30年)平均結果-(二人以上の世帯)

 

出所:総務省統計局 家計調査報告(貯蓄・負債編)-2018年(平成30年)平均結果-(二人以上の世帯)


貯蓄現在高の平均値は20代で最も低く、年代が上がることに増加している状況です。60代でピークとなり、2000万円を突破。70代では60代をわずかながら下回り、貯蓄の取り崩しが進んでいる実態がうかがえます。

負債現在高の平均値は30代で最も高くなりました。この時期に住宅ローンを利用する人が多いことが影響していると考えて良いでしょう。

40代では貯蓄現在高と負債現在高が拮抗しています。「貯蓄はあるが負債も多い状況」といえそうです。50代に入ると負債現在高が貯蓄現在高の半分以下となるため、生活に余裕が生まれやすいでしょう。

老後資金を貯めていくときの目安は?

フィデリティ退職・投資教育研究所は、「退職までに準備すべき貯蓄額はその人の年収に左右される」という分析結果を発表しています。

そのうえで、老後に備えるためには30歳で年収の1倍の資産形成をしている必要があると指摘。40歳で年収の2倍、50歳で4倍、そして60歳で6倍の資産を形成できているなら、退職への準備は順調だといいます(参考:フィデリティ資産運用ナビ『30歳で年収の1倍の退職準備を』)。

老後に向けた資産形成がスムーズに進んでいる人もいるでしょうが、「この目標は厳しい」と感じる人も少なくないかもしれません。しっかりと老後に備えるには、若いうちから退職準備を意識しておく必要がありそうです。

【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

LIMO編集部