たとえば、40歳から60歳まで毎月給与の中から一定の金額を積み立てていたとしましょう。60歳に定年退職を迎え、つみたて投資を終了するものとします。
その際に、買付平均株価(簿価)が時価を上回っていれば資産形成はひとまずは成功したといえるでしょう。一方で、簿価が時価を下回っていれば、資産形成の結果は含み損ということになり、残念な結果だったといえるでしょう。
リーマンショック級とは言わないまでも、現役最後の日に株式市場が大暴落をしたとすればどうでしょうか。そこまでの簿価が相当程度低い水準で、暴落後の株価よりもさらに低い簿価であれば問題ないですが、株式市場の株価が暴落することで簿価を下回るような時価となった際には、含み損となってしまいます。
現役時代は「また安く買いつけることができる」という安心感はあるでしょうが、定年後には新規の資金拠出がないとすれば、ここまで見てきたドルコスト平均法の良さの一部を活用できないということになります。
もっとも、新規の資金拠出は終わったとしても、保有している資産の価格が上昇し、簿価を上回れば含み益となるので、その後の状況次第ということになりますが、老後を含み益の状況でスタートするのか、または含み損でスタートするのかは、心理的に大きく異なるといえるでしょう。
こうみると、ドルコスト平均法を上手に活用するためには、時価が簿価を上回るまで続けるという姿勢が必要です。
しかし、もっとも気を付けておくべきは、ドルコスト平均法を実践する投資対象に何を選ぶかという問題です。
長期に資産価格が上がる資産を見出せるのか
ドルコスト平均法という方法論に議論は集中しやすいですが、もっとも議論すべきは、「何に投資をするか」です。
著者
私たちは、保険会社・大手銀行・証券会社など金融機関での勤務経験を有したメンバーで構成する、株式会社モニクルリサーチ運営の『LIMO(リーモ)〜くらしとお金の経済メディア〜』のマネー編集部です。
三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子・株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵・SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか・日本生命保険相互会社出身の村岸理美などを中心としたメンバーで構成。それぞれが大手金融機関にて主にリテール・法人・富裕層向けの資産にまつわるアドバイス業務を経験。主に国内外株式の仲介、国内外の債券、投資信託、生命保険の販売業務に従事し、トップセールスで多数の表彰歴を持つ人や、研修講師として年間100回超の登壇経験を持つ元研修講師なども在籍。
専門性の高いテーマで年間8000本以上の企画・執筆・編集・監修の実績があり、特に以下の分野を中心に、厚生労働省・金融庁・総務省などの官公庁の一次情報をベースに記事を企画・執筆・編集している。
【主な執筆分野】
公的年金制度(厚生年金保険・国民年金)、社会保障制度、相続・贈与・退職金、NISA・iDeCoなどの税制優遇制度、資産運用・資産形成・保険など
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