3月に入り、いよいよ待望のガーデニングシーズンが到来しました。暖かな日差しに誘われて、庭の土に新しい彩りを迎えたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
そんな「今年こそ地植えに挑戦してみたい」という方に最適なのが、一度植えれば季節が巡るたびに美しい姿を見せてくれる宿根草です。
植物それぞれの個性に合った場所を選んで植栽すれば、日々の水やりの負担も減り、自然の移ろいを感じながら、ゆったりと庭と向き合うことができます。
今回は、洗練された雰囲気がありながら、丈夫でコストパフォーマンスにも優れた宿根草を3つ厳選しました。週末のプランニングの参考にしてみてください。
1. 「植えっぱなし」で楽しめる植物の条件とは?
園芸でよく「植えっぱなしOK」と言われる植物は、一度植えれば翌年以降も芽吹く「多年草」や「宿根草」などを指します(※)。
その植物が好む環境に植え付けてあげれば、あとは自然のリズムに任せて育ってくれるため、忙しい方にとっても非常に心強い存在です。
地植えにする大きな利点は、根が地中深くへと伸び、自ら水分を蓄える力が強くなることです。
鉢植えのように毎日水に追われることはなく、土に馴染むまでの最初の1年や、極端に乾燥が続く時期を除けば、基本的には雨水だけで育ってくれます。
ただし、中には生育が非常に旺盛で、想定以上にお庭のスペースを占領してしまう種類もあります。日当たりや水はけといった環境と、ご自身のライフスタイルに合った植物を賢く選ぶことが、無理なく長く付き合っていくための秘訣です。
※多年草と宿根草の違い:園芸上では、一年を通じて葉が緑のまま残るものを「多年草(常緑多年草)」、冬に地上部が枯れて根の状態で越冬するものを「宿根草(落葉多年草)」と呼んで区別することがあります。
2. 植えっぱなしOK!この春、地植えに選びたい《宿根草3選》野趣あふれる花姿
ここからは、管理の負担が少なく、年月を重ねるほどにお庭の風景に溶け込んでいく頼もしい宿根草をご紹介しましょう。
2.1 マロウ
1/7
Werner Meidinger/istockphoto.com
夏に花を咲かせるマロウは、品種によっては草丈が1メートルを超えることもある、とても見応えのある宿根草です。すっと真っ直ぐに伸びた茎に花を咲かせる姿は、夏の庭でひときわ目を引く存在感を放ちます。
花の色は紫やピンク、青、白と多彩で、花びらに美しい縞模様が入る種類もあり、とても表情豊かです。
日当たりと風通しの良い場所を好みます。高温多湿な夏は葉に斑点ができる「さび病」などの原因になる蒸れが少し苦手なので、梅雨前に風通し良く切り戻しや下葉の整理をしてあげましょう。
また、数年で寿命を迎えることもありますが、こぼれ種で自然に世代交代しながら毎年お庭を彩ってくれます。
※参考価格:300〜500円前後(3号ポット苗)
2.2 ギボウシ(ホスタ)
2/7
Marina Kositsyna/istockphoto.com
美しい葉模様が魅力のギボウシは、日陰のお庭(シェードガーデン)の主役として大活躍してくれる頼もしい宿根草です。斑入りや葉の色のバリエーションも豊富で、いくつか集めてコレクションする楽しみもあります。
強い直射日光や乾燥は苦手なため、半日陰から日陰になるような、少し湿り気のある場所に植えてあげるのが元気に育てるポイントです。冬の間は葉を落として休眠しますが、枯れたわけではないので、春の力強い芽吹きを楽しみにお待ちください。
環境が合えばほとんど手間いらずですが、春先の柔らかい葉はナメクジに狙われやすいので、早めの対策が美しさを保つコツです。
※参考価格:300〜800円前後(3号ポット苗)
2.3 クレマチス
3/7
paddythegolfer/istockphoto.com
「つる性植物の女王」とも呼ばれるクレマチスは、その名の通り、うっとりするほど上品で華やかな花を咲かせる多年草です。
フェンスやオベリスクに絡ませて立体的な風景をつくるのが定番の楽しみ方ですが、半つる性の品種を選べば、低い支えにふんわりと寄りかからせたり、グランドカバーのように地面を覆わせたりすることもできます。
株元に直射日光が当たらないよう下草やマルチングで優しく保護し、つるや花にはしっかり日の光を当てましょう。
また移植を嫌うデリケートな一面もあるため、植え付ける場所はあらかじめじっくり検討してあげてくださいね。
※参考価格:500~1000円(3号ポット苗)
3. 自然のリズムで育つ、ローメンテナンスな庭づくり
今回は、ローメンテナンスでお庭を彩る頼もしい宿根草を紹介しました。お気に入りの植物は見つかりましたか?
植え付けてから根が張るまでの最初の1年さえ注意深く見守れば、あとは植物自らの力で、年々豊かな表情を見せてくれるようになります。
手間をかけすぎず、それでいて確かな喜びを運んでくれる宿根草とともに、芽吹きの季節を存分に楽しんでください。
4. 【コラム】データで読み解く!日本の花と球根の需給事情
ガーデニングや日々のお花を楽しむ中で、「この植物はどこから来たのかな?」と気になったことはありませんか?
2026年2月に農林水産省が公表した「花きの現状について」から、日本の花き(観賞用の植物)生産の現状を見てみましょう。
4.1 花き生産の現状:金額ベースで見る
まず「金額ベース」で見ると、国内で流通する花の約9割が国内生産で、輸入は約1割にとどまります。
国内生産の6割弱を占めるのが切り花類で、次いで鉢もの類、花壇用苗もの類と続きます。また、輸入される花も大半(9割弱)が切り花です。
4.2 花き生産の現状:数量ベースで見る
しかし、「数量ベース」で見ると異なる実態が見えてきます。
切り花の国内流通量における輸入割合は約3割(30%)となっており、特にカーネーションやキクの輸入割合が高く、コロンビアやマレーシア、中国などから多く届いています。
また、秋植え・春植えでおなじみの「球根」については、輸入割合(数量ベース)が実に約8割(80%)にのぼります。
その大半が花の国として知られるオランダから輸入されており、国内に流通する球根の多くが海外産であるという特徴があります。
お花屋さんやホームセンターで植物を選ぶとき、実は海を越えて届いたものが数多く含まれています。
日ごろ花苗を選んだり土作りをしたりする際に、産地に注目してみるのも一つの楽しみ方かもしれませんね。
参考資料
6. こちらの記事もおすすめ!
6.1 狭い庭でも植えっぱなしOK!コンパクト&ローメンテで楽しめる小さめ多年草
6/7
stockcreations/shutterstock.com
【狭い庭でも植えっぱなし】毎年花咲く「小さめ多年草」6選!日陰に強い植物やグランドカバーも
こちらの記事では、狭い庭に植えっぱなしでも毎年花を楽しめる植物や、小さな空間をおしゃれに見せるコツを紹介しています。
初心者さんやお忙しい方でも管理しやすく、安心して楽しめるコンパクトな多年草ばかりなので、ローメンテなお庭づくりの参考にしてくださいね。
6.2 約半年間ずっと咲く花で、お金をかけない庭づくり
7/7
mariokinhed/shutterstock.com
【お金をかけない庭づくり】約半年ずっと花咲く一年草&多年草8選!少ない苗でも一年中華やか
こちらの記事では、春~秋、冬~春に分けて、約半年間ずっと花を咲かせる植物を8種紹介しています。
長期間花が咲くので、一年草なら半年間植え替えいらず。多年草なら植えっぱなしで楽しむことができ、苗代も少なく済みます。お金や時間をあまりかけられないけれど、一年中庭を華やかに彩りたいという方におすすめです。
LIMOガーデニング部