確定申告の期限(3月16日)を数日過ぎ、ようやく「お金の計算」から解放された方も多いのではないでしょうか。春の陽気が増すこの時期、自分の資産額を改めて確認し、「果たして自分は日本のどの位置にいるのか?」とふと考えたことはありませんか。

連日の株価ニュースや物価高の話題が絶えない2026年現在、一部の「富裕層」たちが莫大な資産をさらに増やしているという話は、もはや他人事ではありません。

日本には、「富裕層」や「超富裕層」とされる人がどの程度いるのでしょうか。

株式会社野村総合研究所の調査では、「富裕層」や「超富裕層」に分類される人たちは年々増加しており、資産の偏りが広がっている状況もうかがえます。

本記事では、日本における富裕層・超富裕層の割合の最新動向に加え、年代別の平均貯蓄額や中央値など、資産状況の実態を分かりやすく解説します。

1. 【2005年以降最多】日本に「富裕層・超富裕層」はどれくらいいる?

株式会社野村総合研究所の「日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計」によれば、2023年時点の富裕層および超富裕層の世帯数は、2005年以降で最多となっています。

なお、株式会社野村総合研究所における富裕層・超富裕層の「世帯の純金融資産保有額」は以下のとおりです。

  • 富裕層:1億円以上5億円未満
  • 超富裕層:5億円以上

では、日本全体の世帯数に対して、「富裕層・超富裕層」はどの程度の割合を占めているのでしょうか。

1.1 「富裕層と超富裕層」の割合をチェック

  • 富裕層:153万5000世帯
  • 超富裕層:11万8000世帯

全世帯に占める割合は以下のようになっています。

  • 富裕層:約2.75%
  • 超富裕層:約0.21%

2021年に行われた前回の調査では、富裕層・超富裕層の世帯数は次のような結果となっていました。

  • 富裕層:139万5000世帯
  • 超富裕層:9万世帯

割合だけを見ると多くはないように思えるかもしれませんが、世帯数自体は着実に増えています。

ではなぜ、富裕層は増え続けているのでしょうか。

2. 【将来、あなたも該当する可能性あり】なぜ日本で「富裕層」が増加している?

この約10年間で世帯数や資産総額が拡大してきた背景には、株式や投資信託などの金融資産の価格上昇が大きく影響しており、こうしたリスク資産を多く保有していた世帯ほど、値上がりによって資産を伸ばしたと考えられます。

また、富裕層・超富裕層が増加している理由として、相続によってまとまった資産を受け取り、そのまま富裕層へと移行するケースが増えている点も挙げられます。

さらに近年では、「気づかないうちに富裕層の水準に達していた世帯」や「共働きで資産を積み上げた結果、富裕層となった世帯」も一定数見られます。

2.1 近年「いつの間にか富裕層」と「スーパーパワーファミリー」が増加傾向

近年、株価の上昇やNISAの普及を背景に、資産運用の積み重ねによって、知らないうちに富裕層の水準に達する世帯が増えています。

野村総合研究所はこのような層を「いつの間にか富裕層」と呼んでおり、40〜50歳代の会社員でも、長年の運用の成果として金融資産が1億円を超える例が目立ってきました。

また、共働きで安定した収入を得ながら資産形成を進め、50歳前後で富裕層に到達する「スーパーパワーファミリー」と称される世帯も見られます。

こうした家庭に共通しているのは、贅沢な暮らしをしているわけではなく、収入の範囲内で生活しながら着実に資産を積み上げてきた点です。

このように、「気づいたときには富裕層に入っていた」「共働きによって資産が着実に増えた」といった事例があるように、富裕層に到達する可能性はどの世帯にもあります。

では、一般的な家庭の貯蓄額はどのくらいなのでしょうか。

3. 【年代別】「20〜70歳代」の貯蓄額(平均値・中央値)はいくら?

次に、金融経済教育推進機構が公表した「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」をもとに、年代別の平均貯蓄額を見ていきます。

まずは、単身世帯のデータから確認していきましょう。

3.1 【20〜70歳代の貯蓄額を比較】「単身世帯」の平均貯蓄額はいくら?

  • 20歳代:平均値255万円・中央値37万円
  • 30歳代:平均値501万円・中央値100万円
  • 40歳代:平均値859万円・中央値100万円
  • 50歳代:平均値999万円・中央値120万円
  • 60歳代:平均値1364万円・中央値300万円
  • 70歳代:平均値1489万円・中央値500万円

一般的に、年齢を重ねるにつれて貯蓄額は増加する傾向がみられます。

とくに60歳代では中央値が大きく上昇しており、退職金の受け取りが影響している可能性が考えられます。

続いて、二人以上の世帯における平均貯蓄額を見ていきましょう。

3.2 【20〜70歳代の貯蓄額を比較】「二人以上世帯」の平均貯蓄額はいくら?

  • 20歳代:平均値525万円・中央値125万円
  • 30歳代:平均値1096万円・中央値311万円
  • 40歳代:平均値1486万円・中央値500万円
  • 50歳代:平均値1908万円・中央値700万円
  • 60歳代:平均値2683万円・中央値1400万円
  • 70歳代:平均値2416万円・中央値1178万円

二人以上の世帯では、平均値・中央値ともに単身世帯を上回る結果となっています。

世帯人数が多くなるほど日常の生活費や将来に向けた支出も増えるため、このような差が生じるのは自然といえるでしょう。

また、子どもがいる家庭も含まれることから、将来への備えとして貯蓄を重視する傾向が強く、その点も単身世帯との違いにつながっていると考えられます。

4. シニア世帯の中で「日常生活費もまかなうのが難しい」と回答している割合は?

物価上昇が続くなか、現在のシニア世帯はどのような生活意識を抱いているのでしょうか。

J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」をもとに確認していきます。

60歳代・70歳代の二人以上世帯「生活意識」5/6

60歳代・70歳代の二人以上世帯「生活意識」

出所:J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」 をもとにLIMO編集部作成

60歳代・70歳代で「日常生活費程度もまかなうのが難しい」と回答した人の割合は、次のとおりです。

4.1 「二人以上世帯」60歳代・70歳代の回答を見る

  • 60歳代:33.6%
  • 70歳代:26.5%

4.2 「単身世帯」60歳代・70歳代の回答を見る

  • 60歳代:50.7%
  • 70歳代:35.5%

世帯別に生活意識をみると、二人以上の世帯に比べて「単身世帯」のほうが、老後の家計に負担を感じている傾向があることが分かりました。

5. 富裕層の増加と一般世帯の資産格差をどう捉えるか

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Sakarin Sawasdinaka/shutterstock.com

Sakarin Sawasdinaka/shutterstock.com

本記事では、日本における富裕層・超富裕層の割合と、年代別の平均貯蓄額や中央値について解説しました。

平均額だけでは把握しにくい実態も、中央値や世帯タイプ別の数値を確認することで、より現実に近い状況が見えてきます。

とくに高齢期には生活費に不安を感じる世帯も多く、資産状況は一律ではありません。

富裕層の増減だけを見るのではなく、自分の年代や家族構成に近いデータを参考に、将来の資産づくりや生活の備えを考えていくことが大切でしょう。

参考資料

菅原 美優