3. 【働く高齢者は増加傾向】65歳以上の就業者数は21年連続で増加!過去最多に
総務省「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」によると、2024年の65歳以上の就業者数は930万人となり、これまでで最も多い水準に達しました。
シニアの就業者数は2004年以降増加傾向が続いており、21年連続で前年を上回る結果となっています。
また、2024年時点で15歳以上の就業者全体に占める65歳以上の割合は13.7%となり、前年から0.2ポイント上昇し、こちらも過去最高を更新しました。
こうしたデータからは、「定年後は年金のみで生活する」という従来の考え方から、働き続けることを選択するシニアが増えている現状がうかがえます。
では、高齢者の就業がここまで拡大している背景には、どのような要因があるのでしょうか。
3.1 なぜ「シニアの就業者数」は増加し続けているのか?
総務省の同資料を見ると、65〜69歳の就業率は53.6%、70〜74歳は35.1%、75歳以上でも12.0%となっており、いずれの年代でも過去最高水準を更新しています。
なかでも65〜69歳では、約半数が引き続き仕事に就いており、就労が特別な選択ではなくなりつつある状況がうかがえます。
こうした動きの背景として挙げられるのが、年金の「実質的な目減り」です。
2026年度の年金額は前年度比で1.9〜2.0%引き上げられたものの、物価上昇には追いつかず、購買力の低下が続いています。
また、厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、年金収入のみで生活している人は43.4%にとどまっており、多くのシニアが年金以外の収入を必要としている現状がみてとれます。
このように、年金収入だけでは生活を維持しにくい世帯が増えており、その結果として、多くの高齢者が働き続ける選択をしているのが実情です。
なお、「働ける間は仕事を続けて老後資金を補う」という考え方自体は現実的ですが、収入が一定水準を超えると「在職老齢年金制度」によって年金の一部が調整される点には注意が必要です。
次章では、働くシニアが必ず知っておきたい「在職老齢年金制度」について解説していきます。
著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/一種外務員資格(証券外務員一種)/元証券会社社員
1985年生まれ。福岡県出身。筑紫女学園短期大学英文科(現・筑紫女学園大学)を卒業後、2005年に日興コーディアル証券株式会社(現・SMBC日興証券株式会社)に入社。一種外務員資格(証券外務員一種)保有。ファイナンシャルアドバイザーとして、主に富裕層の個人顧客や法人に向けて、株式や債券、投資信託、保険商品などライフプランに寄り添った資産運用を提案する業務に従事。
現在は、株式会社モニクルリサーチのメディア編集本部・LIMO編集部に所属。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」では、人事院、内閣府(金融庁、消費者庁、こども家庭庁)、デジタル庁、総務省、法務省、財務省(国税庁)、文部科学省、厚生労働省、農林水産省(林野庁)、経済産業省(中小企業庁)、国土交通省、環境省といった官公庁の公開情報など、信頼性の高い情報をもとに厚生労働省管轄の公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障、退職金、資産運用や貯蓄、NISA、iDeCoなどをテーマに企画・編集・執筆を行う。また、専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト「LIMO&ファイナンス」でも執筆を行う。(2026年7月11日更新)
監修者
マネー編集部貯蓄班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、大手証券会社やメガバンク等の金融機関にて勤務経験のある編集者が中心となり、金融庁や総務省など官公庁の公開情報等をもとにお金の課題に寄り添う専門チームです。
主なメンバーは野村證券株式会社出身の宮野茉莉子、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか、地方自治体職員出身の太田彩子、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、日本生命保険相互会社出身の村岸理美など。
編集者の多くは、金融機関にて個人リテール業務を経験。若年層からシニア層、富裕層に至るまで、幅広い顧客に対し、投資信託・保険を中心とした総合的なライフプランニングを実行してきた。なかには、リテール営業で社内トップの実績を持ち、行内で表彰された実力者も。人材育成や社内教育にも携わるなど、金融知識と実務経験の両面で信頼される編集者が在籍しています。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。(最新更新日:2025年6月23日)