1. 2026年4月分から増額決まる→年金生活者支援給付金の改定内容
年金生活者支援給付金は、年金収入やその他の所得が一定基準額に満たない方を支えるため、2019年10月に導入された制度です。公的年金に上乗せする形で、2カ月に一度支給されます。
この給付金は、受給している基礎年金の種類によって、以下の3つに分けられており、それぞれ支給要件や金額が異なります。
- 老齢年金生活者支援給付金
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
1.1 2026年度の支給額は?年金生活者支援給付金の具体的な金額
年金生活者支援給付金の額は、物価の変動などを反映して毎年度見直されることになっています。
2026年1月23日に厚生労働省が2026年度の年金額改定を発表したことに伴い、年金生活者支援給付金の基準額も改定されました。
この見直しによって、2026年6月に支給される4月分から、給付額は前年度と比べて3.2%引き上げられることになりました。
【2025年度から2026年度への改定額】
- 老齢年金生活者支援給付基準額(月額):5450円→5620円
- 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円→7025円・2級5450円→5620円
- 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円→5620円
老齢年金生活者支援給付金については、この基準額をベースに保険料の納付済み期間などを考慮して、個別の支給額が算出されます。上記の金額はすべて月額表示であり、実際の支給時には2カ月分がまとめて年金に上乗せされます。満額に近い場合、1回の支給で約1万円、年間では約6万円が受け取れる計算になります。
厚生労働省の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2024年3月時点の平均給付月額は、老齢年金生活者支援給付金で4016円、障害年金生活者支援給付金で5727円、遺族年金生活者支援給付金で5228円でした。
2. ふつうの年金とは別支給「年金生活者支援給付金」の支給要件を分かりやすく整理!
年金生活者支援給付金は「老齢」「障害」「遺族」の3種類があり、それぞれ受給するための条件が設けられています。
具体的にどのような要件を満たすと給付金を受け取れるのか、種類別に見ていきましょう。
2.1 老齢年金の場合の支給要件
老齢年金生活者支援給付金を受け取るには、以下のすべての要件を満たすことが求められます。
- 65歳以上で老齢基礎年金を受給している
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税である
- 前年の公的年金などの収入額(※1)とその他の所得の合計が、生年月日に応じて定められた以下の基準額以下である
- 昭和31年4月2日以降生まれの方:90万9000円以下
- 昭和31年4月1日以前生まれの方:90万6700円以下(※2)
※1 障害年金や遺族年金などの非課税収入は、収入額の計算には含まれません。
※2 収入と所得の合計額が一定の範囲内(昭和31年4月2日以降生まれは80万9000円超90万9000円以下、昭和31年4月1日以前生まれは80万6700円超90万6700円以下)に該当する場合、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
2.2 障害年金の場合の支給要件
障害基礎年金を受給している方で、以下の所得要件を満たす場合に支給対象となります。
- 障害基礎年金の受給者である
- 前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族の人数に応じて基準額は増えます)
※ 障害年金などの非課税収入は、所得の計算から除外されます。
2.3 遺族年金の場合の支給要件
遺族基礎年金を受給している方が対象となり、所得に関する要件は障害年金生活者支援給付金と同じです。
- 遺族基礎年金の受給者である
- 前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族の人数に応じて基準額は増えます)
※ 遺族年金などの非課税収入は、所得の計算から除外されます。
支給対象となるかどうかは、前年の所得状況に基づき毎年判定されます。
また、これらの要件を満たしていても、給付金が自動的に支給されるわけではなく、ご自身で請求手続きを行う必要がある点に注意しましょう。
3. 年金生活者支援給付金の手続き方法|申請しないと受給できない?
年金生活者支援給付金の支給対象となる可能性がある方には、日本年金機構から請求手続きに関する案内が送付されます。
書類が届く時期や形式は、年金の受給状況によって異なります。ここでは、主な2つのケースにおける申請手順を見ていきましょう。
3.1 これから老齢基礎年金の受給を開始する方の手続き
- 65歳になる誕生日の3カ月前に、年金を受け取るための「年金請求書(事前送付用)」とあわせて、給付金の請求書が郵送されます。
- 必要事項を記入し、年金の受給を開始したい年齢の誕生日前日以降に、年金請求書と一緒に年金事務所へ提出します。
3.2 すでに年金を受給中で新たに対象になった方の手続き
- 毎年9月上旬頃から、対象となる方にはがき型の「年金生活者支援給付金請求書」が順次郵送されます。
- 2025年1月以降に65歳になり、このはがき型の請求書を受け取った方は、マイナポータルを利用した電子申請も選択できます。
- 電子申請を利用しない場合は、はがきに必要事項を記入し、切手を貼って郵送で提出してください。
なお、支給要件の確認が別途必要な方には、A4サイズの請求書と所得状況を申告するための「所得状況届」が送られてくることもあります。
4. 年金生活者支援給付金の支給日|2カ月に一度、偶数月に支給
年金生活者支援給付金は、年金の支給に合わせて年6回、偶数月の15日に支払われます。
もし15日が土日や祝日など金融機関の休業日にあたる場合は、その直前の営業日に支給日が前倒しされます。例えば2026年2月は15日が日曜日のため、直前の営業日である13日(金)が支給日でした。
振込先は年金と同じ口座ですが、通帳には年金本体とは別に「ネンキンシエンキュウフキン」といった名目で記帳されます。これは、支払日は同じでも、それぞれが別の制度として管理されているためです。
支給額は、原則として前月と前々月の2カ月分がまとめて支払われる仕組みです。例えば、4月15日に受け取る給付金は、2月分と3月分の合計額となります。
5. まとめ
この記事では、見落としやすい年金生活者支援給付金の制度概要と、受給に欠かせない申請手続きについて解説しました。
公的年金の支給日に給付金が上乗せされることは、年金で暮らすシニア世代にとって大きな支えとなるでしょう。ご自身やご家族が対象になっていないか、この機会に一度確認してみてはいかがでしょうか。
一方で「人生100年時代」といわれる現代においては、公的な支援制度だけに頼るのではなく、自助努力も大切になります。日頃から家計管理や資産形成への意識を高めておくことが、より安心できる老後生活につながります。
将来の資金計画を立てる第一歩として、まずは日本年金機構の「ねんきんネット」などを活用し、ご自身の年金見込額を正確に把握することから始めてみるのも一つの方法です。
※当記事は再編集記事です。
参考資料
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」
- 日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求する方の請求手続きの流れ」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
- 日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」
-
LIMO「【年金生活者支援給付金】ふつうの年金本体に上乗せされる条件とは?《2カ月に一度、偶数月に支給》年金生活者支援給付金のイロハ」
マネー編集部社会保障班





