2026年2月13日は、今年最初の年金の支給日でした。
実際に支給される年金額は、これまでの加入状況によって一人ひとり異なります。
また、年金の額面から天引きされる税金や社会保険料も個人の状況によって変わるため、同じ額面であっても手取り額には差が生じます。
そうした中、公的年金などの収入が一定の基準を下回る方々を対象に、年金に上乗せする形で「年金生活者支援給付金」が支給される制度があります。
この給付金の支給要件は世帯ごとではなく個人で判定されますが、例えば夫婦がともに要件を満たす場合、2月13日に支給された金額は2カ月分の合計で2万1800円に達することもあります。
この記事では、年金生活者支援給付金の対象となる方、支給される金額、そして受け取るためのスケジュールや手続きについて、詳しく解説していきます。
1. 年金生活者支援給付金の概要と消費税を財源とする仕組み
「年金生活者支援給付金」は、公的年金などの収入やその他の所得が、定められた基準額に満たない場合に受け取ることができる給付金です。
2019年10月に導入された比較的新しい制度であり、その財源は消費税の増収分によって賄われています。
1.1 財源は消費税の増収分
年金生活者支援給付金の財源が消費税であることは、「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」にもはっきりと記されています。
「年金生活者支援給付金の支給に要する費用の財源は、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律の施行により増加する消費税の収入を活用して、確保するものとする。」
引用:e-Gov法令検索「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」
この給付金は、老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金のそれぞれに設けられています。
支給要件を満たす場合、2カ月に一度の公的年金の支給に合わせて、給付金が上乗せされた形で支給されます。
2. 年金生活者支援給付金の支給額は?夫婦で合計2万1800円になる場合も
多くの方が気になるのは、年金生活者支援給付金が具体的にいくらもらえるのかという点でしょう。
給付額は公的年金と同様に、毎年度見直しが行われます。
2.1 令和7年度から令和8年度にかけての給付月額の変動
ここでは、2025年度(令和7年度)と2026年度(令和8年度)の支給額を比較してみましょう。
厚生労働省の「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」によると、2026年度の「年金生活者支援給付金」は、物価の変動などを反映し、前年度から+3.2%引き上げられることが決定しました。
- 老齢年金生活者支援給付金(月額):5620円(※基準額)
- 障害年金生活者支援給付金(月額):1級 7025円・2級 5620円
- 遺族年金生活者支援給付金(月額):5620円
ただし、老齢年金生活者支援給付金については、上記の金額が基準額であり、実際の支給額は個人の状況によって変動する点に注意が必要です。
なお、次回の2月13日に支給される分は、2025年度の基準額が適用されます。
2025年度の老齢年金生活者支援給付金の基準額は月額5450円です。
仮に夫婦がそれぞれ基準額を満額受け取れる場合、世帯での合計月額は1万900円となります。
年金と同じく2カ月分がまとめて支給されるため、2月13日には夫婦の合計額が2万1800円になる計算です。
実際の支給額は、保険料の納付済み期間や免除期間に応じて個別に計算されます。
それでは、どのような方がこの給付金の対象となるのでしょうか。
3. 年金生活者支援給付金の対象者となる条件とは?
年金生活者支援給付金には「老齢」「障害」「遺族」の3つの種類があります。
ここでは、それぞれの種類ごとに支給されるための要件を確認していきましょう。
3.1 老齢年金生活者支援給付金を受け取るための要件
- 65歳以上で、老齢基礎年金を受給していること
- 同一世帯の全員が、市町村民税の課税対象ではないこと
- 前年の公的年金などの収入額と、その他の所得の合計が、昭和31年4月2日以降に生まれた方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれた方は80万6700円以下であること
※1 障害年金や遺族年金などの非課税収入は、上記の収入額の計算には含まれません。
※2 所得の合計額が上記の基準をわずかに上回る方(昭和31年4月2日以降生まれで90万9000円以下、昭和31年4月1日以前生まれで90万6700円以下)には、不足分を補う目的で「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されることがあります。
3.2 障害年金生活者支援給付金を受け取るための条件
- 障害基礎年金の受給者であること
- 前年の所得が479万4000円以下であること(扶養親族の人数に応じて増額されます)
※ 障害年金などの非課税収入は、所得の計算には含まれません。
3.3 遺族年金生活者支援給付金を受け取るための条件
- 遺族基礎年金の受給者であること
- 前年の所得が479万4000円以下であること(扶養親族の人数に応じて増額されます)
※ 遺族年金などの非課税収入は、所得の計算には含まれません。
どの種類の給付金においても、前年の所得額が支給されるかどうかを判断するうえで重要な基準となります。
また、これらの支給要件を満たしていても、給付金は自動的には支給されません。受け取るためには、ご自身で「請求手続き」を行うことが必須です。
4. 注意!年金生活者支援給付金は請求手続きが必須
年金生活者支援給付金の支給対象となった方には、日本年金機構から請求手続きのご案内を兼ねた請求書が郵送されます。
請求書が送られてくる時期や書類の形式は、年金の受給状況によって異なります。ここでは、該当する方が多い2つのケースについて見ていきましょう。
4.1 ケース1:初めて基礎年金を請求する場合
- 年金の受給権が発生する3カ月前に、年金を受け取るために必要な「年金請求書(事前送付用)」に同封されて届きます。
- 必要事項を記入し、受給開始年齢の誕生日の前日以降に、年金の請求書とあわせて年金事務所へ提出します。
4.2 ケース2:すでに年金を受給中で、新たに対象となった場合
- 毎年9月の第1営業日から、「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が順次郵送されます。
- 電子申請を利用しない場合は、必要事項を記入したうえで、切手を貼って郵便ポストに投函します。
2025年1月以降に65歳になり、日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が届いた方は、電子申請も利用可能です。
なお、支給要件に該当するかどうか確認が必要な方には、「年金生活者支援給付金請求書(A4型)」と「所得情報等を確認するための所得状況届」が送付されます。
5. 請求書をなくしてしまった場合の対処法
手続きが不可欠な年金生活者支援給付金ですが、万が一請求書を紛失してしまった場合はどうすればよいのでしょうか。
その場合は、日本年金機構の公式サイトから年金生活者支援給付金請求書(A4型)をダウンロードできます。
必要事項を記入し、お近くの年金事務所に提出すれば請求手続きは完了です。
もし手続きで不明な点があれば、お近くの年金事務所で相談してみるのもよいでしょう。
6. まとめ
2月13日は年金の支給日ですが、この日に「年金生活者支援給付金」もあわせて受け取れる方がいます。
この給付金は2カ月分が一度に支給されるため、夫婦がともに基準額を受け取る場合、合計額は2万1800円にのぼることもあります。
年金生活者支援給付金を受け取るには、必ず請求手続きが必要です。
送られてくる書類に記入して返送するだけですが、万が一紛失してしまうケースも考えられます。
給付金を遡って受け取ることはできませんが、これから手続きを行うことは可能です。
対象になるかもしれないと思われる方は、一度ご自身の状況を確認してみてはいかがでしょうか。
※当記事は再編集記事です。





