1. 60歳代からの働き方を支える雇用保険の給付金3選【再就職・賃金減・失業時】
働く意欲のあるシニア世代を経済的に支援するため、雇用保険から支給される3種類の給付金についてご紹介します。
1.1 65歳未満が対象の「再就職手当」とは?早期の再就職で給付率アップ
再就職手当は、失業した方ができるだけ早く安定した職業に復帰できるよう支援するための制度です。特徴は、失業していた期間が短いほど、より手厚い給付を受けられる点にあります。
再就職手当の支給条件
- 対象者:雇用保険の基本手当の受給資格を持つ方
- 支給要件:基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上ある状態で、雇用保険の被保険者として再就職した場合や、事業主として被保険者を雇用するなど、定められた要件を満たした際に支給されます。
再就職手当の給付率
- 手当の額:就職日の前日まで失業認定を受けた後の基本手当の支給残日数に応じて、給付率が変わります(1円未満は切り捨て)。
- 所定給付日数の3分の1以上の支給日数を残して就職した場合:「支給残日数の60%」
- 所定給付日数の3分の2以上の支給日数を残して就職した場合:「支給残日数の70%」
再就職手当の計算式
また、再就職手当を受給した後、新しい勤務先で6カ月以上働き、その期間の賃金が離職前よりも低くなった場合には、「就業促進定着手当」の対象となる可能性もあります。
1.2 60歳から65歳未満の賃金ダウンを補う「高年齢雇用継続給付」
高年齢雇用継続給付は、60歳から65歳未満で就労を続ける方を対象とする給付金制度です。60歳時点の賃金に比べて、現在の賃金が一定の割合まで低下した場合に支給されます。
高年齢雇用継続給付の支給条件
- 対象者:雇用保険の被保険者期間が5年以上ある、60歳以上65歳未満の方
- 支給条件:賃金が60歳に達した時点の75%未満の状態で働き続けている場合
高年齢雇用継続給付の支給率
- 支給額:最高で賃金額の10%(※)に相当する額
※2025年3月31日より前に高年齢雇用継続給付の支給要件を満たした方は15%
【早見表】高年齢雇用継続給付(2025年4月1日以降)
老齢年金を受給しながら厚生年金に加入し、「高年齢雇用継続給付」を受け取る場合には注意が必要です。在職による年金の支給停止に加えて、最大で標準報酬月額の4%(※)に相当する額が支給停止となることがあります。
※2025年3月31日より前に支給要件を満たした方は6%
1.3 65歳以上の失業時に一時金で受け取れる「高年齢求職者給付金」
高年齢求職者給付金は、65歳以上の雇用保険加入者が離職した際に、一時金として受け取ることができる給付金です。
高年齢求職者給付金の支給条件
- 対象者:高年齢被保険者(65歳以上の雇用保険加入者)で、現在失業中の方
- 支給要件:以下のすべての条件を満たす必要があります。
- 離職日以前の1年間に、被保険者期間が通算して6カ月以上あること
- 失業の状態にあること(就職への積極的な意思と能力があり、求職活動を行っているにもかかわらず就職できない状態)
高年齢求職者給付金の給付金額
- 支給額
- 被保険者であった期間が1年未満の場合:基本手当の30日分に相当する額
- 被保険者であった期間が1年以上の場合:基本手当の50日分に相当する額
65歳未満の方を対象とした「失業手当」は4週間に一度、失業認定を受けてから支給されますが、高年齢求職者給付金は一括で支給されるという点が大きな違いです。


