寒さが続く2月、光熱費や食費の請求を見て「思ったより余裕がないかも…?」と思う方もいるかもしれません。総務省が発表した2025年の家計調査では、消費支出は3年ぶりに実質プラスとなった一方で、実収入は物価高に追いつかず、暮らし向きは決して楽になっていない実態が明らかになりました。

今回は、この家計調査の結果をもとに、消費・収入の動きに加え、年代別の貯蓄状況まで含めて、私たちの家計が今どんな局面にあるのかをわかりやすく解説します。2月13日の年金支給日を前に、家計を見直すヒントとしてもチェックしてみてください。

1. 「消費は回復、暮らしは横ばい」食費を中心に節約志向

総務省から2月6日に発表された「2025年平均の家計調査」によると、二人以上の世帯における消費支出は、物価変動の影響を除いた「実質」で前年比プラスとなりました。支出は回復傾向にあるものの、勤労者世帯の実収入は物価上昇に追いつかず、家計のやりくりは依然として厳しい状況が続いています。

1.1 消費支出:3年ぶりの増加も、物価高による「かさ上げ」の側面否めず

消費支出(二人以上の世帯)の推移1/6

消費支出(二人以上の世帯)の推移

出所:総務省「家計調査報告-2025年(令和7年)12月分及び2025年平均-」

二人以上の世帯の消費支出は、1世帯当たり月平均31万4001円でした。名目では4.6%増、物価の影響を除いた実質でも0.9%増と、3年ぶりにプラスに転じています。

消費支出(二人以上の世帯)とその内訳2/6

消費支出(二人以上の世帯)とその内訳

出所:総務省「家計調査報告-2025年(令和7年)12月分及び2025年平均-」

内訳を見ると、「交通・通信」は自動車関連費の増加などで実質6.7%増、「教育」も授業料などを中心に6.8%増となりました。「教養娯楽」もサービス支出が伸び、外出機会の回復が数字に表れています。

一方で、「食料」は実質1.2%減と6年連続のマイナスです。物価高の影響を受け、日々の食費を抑える動きが続いていることがうかがえます。

1.2 実収入:2年連続の実質マイナス、家計はやりくりで対応

勤労者世帯の実収入(二人以上の世帯)の推移3/6

勤労者世帯の実収入(二人以上の世帯)の推移

出所:総務省「家計調査報告-2025年(令和7年)12月分及び2025年平均-」

勤労者世帯(二人以上世帯)の実収入は、月平均65万3901円でした。名目では2.8%増えたものの、物価上昇を考慮した実質では0.9%減と、2年連続のマイナスです。

勤労者世帯の収支(二人以上の世帯)の内訳4/6

勤労者世帯の収支(二人以上の世帯)の内訳

出所:総務省「家計調査報告-2025年(令和7年)12月分及び2025年平均-」

手取りにあたる可処分所得も実質1.7%減少しました。平均消費性向は65.0%と上昇しており、収入が伸びない中でも支出を削りきれず、家計のやりくりに苦慮している様子がうかがえます。

2. 「年代別の平均貯蓄額」単身・二人以上世帯でどう違う?

収入が増えにくい中での消費増は、結果として「貯蓄」を取り崩すことにもつながりかねません。実際に各世帯はどれほどの蓄えがあるのでしょうか。

ここからは、J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」をもとにそれぞれの年代の貯蓄額について確認します。(金融資産を保有していない世帯も含む)

※金融資産保有額には、預貯金以外に株式や投資信託、生命保険なども含まれます。また、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。

2.1 《単身世帯》20代中央値は37万円。資産形成の「二極化」進む

《単身世帯》年代別の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯も含む)5/6

《単身世帯》年代別の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯も含む)

出所:J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」をもとにLIMO編集部作成

「単身世帯」の貯蓄状況をみてみましょう。

  • 20歳代:平均255万円/中央値37万円
  • 30歳代:平均501万円/中央値100万円
  • 40歳代:平均859万円/中央値100万円
  • 50歳代:平均999万円/中央値120万円
  • 60歳代:平均1364万円/中央値300万円
  • 70歳代:平均1489万円/中央値500万円

2.2 《二人以上世帯》平均は高いが、実態はばらつき大

《二人以上世帯》年代別の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯も含む)6/6

《二人以上世帯》年代別の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯も含む)

出所:J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」をもとにLIMO編集部作成

「二人以上世帯」の貯蓄状況をみてみましょう。

  • 20歳代:平均525万円/中央値125万円
  • 30歳代:平均1096万円/中央値311万円
  • 40歳代:平均1486万円/中央値500万円
  • 50歳代:平均1908万円/中央値700万円
  • 60歳代:平均2683万円/中央値1400万円
  • 70歳代:平均2416万円/中央値1178万円

平均値は一部の富裕層が数値を引き上げているため、データを小さい順に並べてちょうど真ん中にくる「中央値」と比べると、金額に大きな差があることがわかります。

特に単身世帯の中央値は二人以上世帯よりも低い水準にとどまっていることから、消費が回復する一方で、単身世帯を中心に貯蓄面の厳しさは続いていることがうかがえます。

3. まとめにかえて

今回は、2025年の家計調査をもとに、消費の回復と家計の厳しさについて解説しました。消費支出は実質で増えたものの、その背景には物価上昇の影響が大きく、食費を中心に節約志向が続いています。

また、勤労者世帯の実収入や可処分所得は実質マイナスが続き、貯蓄を取り崩しながら家計を維持している世帯も少なくありません。

特に単身世帯では、貯蓄額の中央値が低く、将来への不安が強まりやすい状況がうかがえます。この機会に、毎月の支出や貯蓄のバランスを見直し、自分の世帯に合った無理のない家計管理や資産形成を考える一歩につなげてみてはいかがでしょうか。

参考資料

村岸 理美