決算の数字が良くても株価が動かない銘柄もあれば、決算を境に評価が変わり始める銘柄もある。総合電機と聞くと、長らく利益率が低く株価も冴えない、という印象が先に立ちやすい。だがNEC(6701)の直近を眺めると、その姿からは少し離れつつあるのかもしれない。2027年3月期1Qの大幅増益を受け、株価は直近1カ月で水準を切り上げてきた。
※本記事中の株価は、過去の株式分割の影響を調整した値を使用しています。
この記事の3つのポイント
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①2027年3月期1Qは営業利益が前年同期比+66.1%、当期利益が+157.4%の大幅増益となった。 -
②株価は直近1カ月で2割上昇し、8月14日には期間の高値を更新した。PBRは直近時点で3.1倍。 -
③前期にROEは13.0%へ上昇し、電気機器の中央値7.4%を大きく上回る。利益質の変化と市場評価の再評価が重なる局面だ。
1カ月で2割上昇、8月14日に高値を更新した株価
NECの株価は直近1カ月で水準を切り上げた。7月中旬の4,270円台から、8月14日の終値は5,168円まで上昇している。1カ月で2割前後の上昇だ。
きっかけの一つは2027年3月期1Qの決算だった。7月末に決算が伝わった直後、株価は一時5,002円まで急伸している。その後もじり高の歩みが続き、8月14日は前日終値の4,917円から5,168円へと上げ、直近1カ月では最も高い水準をつけた。
PBRは直近時点で3.1倍。株価の値動きは相場全体の地合いにも左右されるため、上昇の理由を決算だけに求めるのは早計だが、増益基調を織り込む動きが続いた可能性は高い。
2027年3月期1Qで当期利益2.6倍、増益をどう読むか
2027年3月期1Qは、売上収益が8,197億円で前年同期比+14.5%。営業利益は587億円で+66.1%、当期利益(親会社の所有者に帰属)は497億円で+157.4%と、利益の伸びが売上の伸びを大きく上回った。
増収に加えて採算が改善した形だ。売上の増加以上に営業利益が伸び、その営業利益以上に当期利益が膨らんだ。段階利益が下にいくほど伸び率が高まる構図で、費用面の追い風が働いたと読み取れる。
一方で通期予想は、売上収益3兆5,400億円(▲1.2%)に対し、営業利益4,300億円(+8.2%)、当期利益2,900億円(+3.7%)。減収を見込みつつ増益を見込む、守りと攻めが同居した計画だ。1Qの当期利益は通期予想の2割弱に届いており、会社計画に対する立ち上がりは悪くない。
筆者コメント
1Qの増益率だけを見て、NECが一気に成長企業へ変わったと決めつけるのは慎重でありたい。前年同期の利益水準が低ければ、伸び率は自然と大きく出る。
とはいえ、営業利益と当期利益がそろって前年を大きく上回った事実は軽くない。株価が1カ月で水準を切り上げた背景には、こうした利益の実像があると考えられる。
数字の派手さよりも、利益がどの事業から生まれているかに目を向けたい局面だ。
