4. 【75歳以上 後期高齢シニア夫婦】家計赤字が続いた場合の資産寿命を試算
4.1 貯蓄が支える期間の目安
ここまで見てきたように、後期高齢シニア夫婦の家計は、年金収入から税金や社会保険料が差し引かれた結果、平均すると毎月およそ2万円の赤字となっています。
この不足分は、貯蓄を取り崩すことで補われているのが現状です。
仮に月2万円の赤字が続くと、年間の不足額は約24万円になります。単純計算では、平均貯蓄額とされる2362万円は、約98年分に相当します。
しかし、この数字をそのまま受け取るのは危険です。
4.2 家計調査に表れにくい支出がある
家計調査に含まれている支出は、あくまで通常の生活を前提としたものです。
入院や手術に伴う自己負担、介護サービス利用料、施設入所時の費用といった、老後に発生しやすい高額支出は十分に反映されていません。
こうした費用が重なれば、赤字額は一時的に月数万円から、場合によっては十数万円規模に拡大することもあります。
また、2362万円という貯蓄額はあくまで「平均値」であり、すべての世帯がこの水準の資産を持っているわけではありません。
平均を下回る世帯では、赤字を補える期間は大きく短くなります。「平均貯蓄があるから老後は安心」とは言い切れないのが現実です。