日本の公的年金や雇用保険の給付は、一定の条件を満たしたからといって自動的に支給される仕組みではありません。
多くの制度では、本人による請求や届出を行ってはじめて、給付が開始される仕組みが取られています。
このため、制度の存在を知らなかったり、「自分は対象ではないだろう」と判断してしまったりした結果、本来受け取れる可能性があった給付に一度も手を伸ばさないままになるケースもみられます。
制度が用意されていても、情報に触れなければ、給付は現実の収入にはつながりません。
本記事では、こうした申請主義の仕組みを前提に、
- 夫婦の年齢差や家族状況によって年金に加算される給付
- 再就職や賃金低下といった働き方の変化を支える雇用保険の給付
という二つの視点から、シニア世代が押さえておきたい代表的な公的給付を取り上げ、制度の概要と見落としやすいポイントを整理していきます。
※なお、LIMOでは個別の事情に応じた相談や問い合わせには対応していません。
1. 知らないとゼロ円のまま?老齢年金と同じく申請が前提の公的給付制度
老齢年金・障害年金・遺族年金といった公的年金は、老後や万一の際の生活を下支えする重要な制度です。
しかし、支給要件を満たしたからといって、何もしなくても年金が振り込まれるわけではありません。
年金を受給するためには、所定の「年金請求書」を提出し、正式な請求手続きを行う必要があります。
この「申請が必要」という仕組みは、年金に限ったものではありません。
国や自治体が実施している各種の手当、給付金、補助金の多くも、同様に申請を行ってはじめて支給対象となります。
申請期限を過ぎてしまったり、必要書類が不足していたりすると、本来受け取れるはずだった金額が減額されたり、支給そのものが受けられなくなる場合もあります。
公的な支援制度を必要なタイミングで確実に活用するためには、自分がどの制度の対象になり得るのかを事前に把握し、求められる手続きを一つひとつ確実に進めていくことが欠かせません。
次章以降では、「申請しないと振り込まれない」代表的な給付制度について、どのような条件で対象になるのかを整理していきます。
