本来なら、自由に取得できるはずの有給休暇。にもかかわらず、「なんとなく取りにくい」「休むことに罪悪感がある」と感じる人も少なくありません。そこで今回は、海外と比較した日本人の有休事情や、有給休暇取得の義務化についてお伝えします。

日本人の有休取得率と罪悪感

2018年12月、エクスペディア・ジャパンは、世界19カ国18歳以上の男女計1万1,144人を対象にした有給休暇の国際比較調査の結果を発表しました。そのデータによると、日本人の有給休暇取得率は50%と、3年連続最下位の結果に。

さらに注目すべき点は、ワースト2位のオーストラリアが取得率70%ということです。この数字から、日本は世界的に見ても圧倒的に有給休暇取得率が低いことが分かりますね。

反対に、「有給休暇を取得することに罪悪感がある」と回答した日本人の割合は59%で1位という結果でした。また、「自分はより多くの有給休暇をもらう権利がある」と回答した割合は最下位の54%。日本人の多くが「有給休暇を取得したいところだが、罪悪感があるので実行できない」と感じているようです。

この4月から始まった有給休暇取得義務化

先ほどのデータで明らかになった、日本の有給休暇取得率の低さ。そんな状況を改善すべく、2019年4月1日から有給休暇の取得義務化が始まりました。そこで、制度の具体的な内容を再確認しておきましょう。

すべての事業所が対象

従業員の人数に関係なく、すべての会社が対象となります。また、会社以外の個人事業も例外ではありません。

対象者は「年次有給休暇を10日付与される人」