今週、金(ゴールド)の価格は1トロイオンス=5000ドルを突破しました。

1年前は1トロイオンス=約2700ドルでしたので、この1年で1.9倍近く上昇しています。

直近1年間のゴールド(XAUUSD)の推移1/4

直近1年間のゴールド(XAUUSD)の推移

Tradingview

近年の金価格の上昇を受け、金投資に興味を持ち始めた方は少なくないでしょう。

しかし、連日のように史上最高値を更新し続けている今、「もう手遅れでは…」「高値掴みになりそう」と投資を始めるには少し躊躇してしまうかもしれません。

もし、短期的な値上がり益を狙うのではなく、長期的な資産形成を目的として金投資を検討しているのであれば、投資信託という選択肢もあります。

投資信託であれば

  • NISAの成長投資枠を使える
  • 積立投資なら「ドルコスト平均法」で高値掴みを気にしなくてOK

です。

1. 投資信託で「金」に投資するメリット

「金(ゴールド)」への投資方法は、

  • ゴールドバーや金貨など現物を購入する
  • 純金積立
  • ETF
  • 投資信託

など、投資目的と照らし合わせて選べます。

もし、キラキラと輝く金を手にとりたい、ということでないなら、投資信託という選択肢も。

投資信託を通じて金に投資するメリットを見ていきましょう。

1.1 NISA成長投資枠を活用して”非課税”で運用できる

通常、運用で得た利益には税金がかかります。

金投資も同様で、譲渡所得として税金がかかります。銀行などで提供されている「金投資口座」を通じた投資で現物の受け渡しがない純金投資については、一律20.315%(所得税および復興所得税15.315%、地方税5%)の税率による源泉分離課税となります。

一方、NISA口座で「金の投資信託」を購入すれば、どれだけ値上がりしても売却益は非課税です。

金地金を売ったときの所得は、原則、譲渡所得として、給与所得など他の所得と合わせて総合課税の対象となります。

譲渡所得以外の所得として課税される場合

金地金の譲渡が営利を目的として継続的に行われている場合には、その実態に応じて事業所得または雑所得となります。

なお、金投資口座や金貯蓄口座などからの利益は金地金の現物の譲渡とは異なり、実態は金融取引に近いことから、金融類似商品の収益として一律20.315パーセント(所得税および復興所得税15.315パーセント、地方税5パーセント)の税率による源泉分離課税となります。

金投資口座や金貯蓄口座などからの利益は、源泉徴収だけで課税が終了しますので、他の所得と合算して確定申告をすることはできません。

出所:国税庁「No.3161 金地金の譲渡による所得」

1.2 手数料(コスト)が低い

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金投資のコスト(投資方法別)

各種資料をもとにLIMO編集部作成

  • 【現物購入(ゴールドバー)】購入時:スプレッド+手数料 保有中:0円(保管を頼むと有料)
  • 【純金積立】購入時:1.65~3%程度 保有中:0~数千円
  • 【金ETF(上場投資信託)】購入時:0円~0.1程度 保有中:0.07%~0.5%程度(信託報酬)
  • 【金投資信託】購入時:0円~3%程度 保有中:0.06%~0.5%程度(信託報酬)

現物購入や純金積立と比べると購入手数料が低くなっています。

銘柄により異なりますが、購入手数料がゼロ円(ノーロード)のファンドもたくさんあります。

注意点として、投資信託保有中にかかるコストとして信託報酬があります。また解約時に信託財産留保額という解約手数料のようなものがかかるケースも。

コスト面で他ファンドと比較するときは「購入手数料・信託報酬・信託財産留保額」の3つをチェックするようにしましょう。

1.3 毎月”数百円”程度の少額から「積立投資」で金に投資できる

投資信託による金投資なら、NISAの「成長投資枠」を使って積み立てることができます。

毎月、数百円程度の少額から自動積立の設定ができるため、初心者でもハードルが低いのが魅力です。

なおNISA成長投資枠の年間投資上限額は240万円となります。

NISAの枠を使えない金ファンドもありますので、対象かどうかを必ず確認しましょう。

※2026年1月現在、NISAつみたて投資枠の対象商品に「金」ファンドは含まれていません。

2. 積立投資なら「ドル・コスト平均法」で投資のタイミングを探らないでOK

直近5年間のゴールド(XAUUSD)の推移3/4

直近5年間のゴールド(XAUUSD)の推移

Tradingview

2024年以降、金価格は上昇し続けています。

「こんなに上がるならあの時買っておけばよかった」と後悔している人もいるでしょう。

では、1トロイオンス5000ドルを突破した今、金に投資するのはアリかナシか…

正解は分かりませんが、積立投資なら「ドル・コスト平均法」で購入単価を平準化できるので、日々の値動きをウォッチしながら投資タイミングを探る必要がありません。

2.1 ドル・コスト平均法とは?

積立投資では、毎月や1週間に1回、あるいは毎日など自身で設定した頻度で一定額を投資していくことになります。

積立投資では、購入タイミングを分散させることになるので、基準価額が高い時には少ない口数を、逆に安い時には口数を多く購入することになります。購入単価が平準化されるので、日々の価格変動に一喜一憂せずに長期的な投資を継続できます。

たとえば、ファンドAを4万円で「一括投資」した場合と、毎月1万円で「積立投資」した場合で購入口数を比較してみましょう。

【ファンドAの基準価額】

  • 1月:1万円
  • 2月:2万円
  • 3月:5000円
  • 4月:1万円

投資額4万円を「一括投資」した場合

1月にAというファンドに4万円投資したとします。

基準価額は1万円で、4万口購入できました。

2カ月目には基準価額が上昇しましたが、3カ月目には大きく下落。

「あと2カ月待てばもっとたくさんの口数を購入できたのに…」と少し後悔するかもしれません。

毎月1万円で「積立投資」した場合

ファンドAを毎月1万円で積み立てるとしましょう。

  • 1カ月目:1万円で1万口
  • 2カ月目:1万円で5000口
  • 3カ月目:1万円で2万口
  • 4カ月目:1万円で1万口

上記のとおり、2カ月目は基準価額が上がり1万円の投資で5000口、3カ月目は基準価額が大きく下がり1万円の投資で2万口を購入する結果となりました。

4カ月間の平均購入口数は4万5000口となります。

購入単価を平準化させられるだけでなく、投資タイミングの分散がリスクの分散にも繋がっています。

なお、積立投資は長期的に継続することによりその効果を発揮できますので、「積立投資×長期投資」と理解しておきましょう。

3. 投資信託で「金」に投資するときの注意点

投資信託で「金」に投資するときの注意点も確認しておきましょう。

3.1 為替ヘッジの有無

投資信託には、為替の影響を抑えるか狙うかを選べるファンドがあります。

  • 〇〇ファンド(為替ヘッジあり)
  • 〇〇ファンド(為替ヘッジなし)

金融における「ヘッジ」とは影響を回避するといった意味があります。

為替ヘッジは、為替の影響を抑えたいか、為替の変動も狙いたいかでヘッジの有無を選びましょう。

  • 為替ヘッジあり:円安・円高の影響を抑え、純粋な金価格の上昇を期待したい
  • 為替ヘッジなし:金価格に加えて、円安における値上がりも期待したい(円高ならマイナスの影響を受けるというリスクが増えます)

3.2 信託報酬(コスト)

重複となりますが、投資信託を保有している間は「信託報酬」というコストがかかります。

積立投資は長期保有が前提となるため、できるだけ低コストのファンドを選ぶことが重要です。

3.3 全資産を「金」に集中させない

近年のように金価格が上昇する局面では、期待も膨らみ金への投資割合を増やしたくなるかもしれません。

そうした投資も狙いの一つかもしれませんが、基本的には「有事の金=守りの資産」として考え、預貯金や株式、債券など複数の資産に分散して投資する中の1つとして位置づけるのが理想です。

4. まとめ

資産形成を後押しする目的で創設されたNISA(少額投資非課税制度)。

本来、運用益に対して20.315%の税金がかかりますが、NISAの枠を活用すればこれが非課税=ゼロになります。

  • 課税口座:運用益が100万円であれば約20万円の税金が引かれ、手取りは約80万円。
  • NISA口座:運用益が100万円であれば税金はゼロで手取り100万円。

税制面でのメリットの大きいNISAを活用して、「金」への投資も可能です。

積立投資なら数百円程度の少額から投資ができますし、投資タイミングを分散できるのでドル・コスト平均法により購入単価を平準化できます。

この記事では、これらの特徴に注目して投資信託で金に投資するメリットや注意点を解説しましたが、重要なのはご自身の投資意向に合っているかどうかです。

金に限らず、さまざまな金融商品がありますので、特徴やリスクなどを調べて”自分にとって最適なもの”を選択しましょう。

※投資にはリスクがあります。ご自身の投資意向に適しているかを踏まえて判断しましょう。

5. 参考記事