原則として75歳以上(一定以上の障害がある方は65歳以上)になると、「後期高齢者医療制度」に加入することになります。
先日、2026年度の保険料額が決定しました。
本記事では最新の保険料情報を紹介するとともに、窓口負担割合が1割・2割・3割(現役並み所得者)になる人の年金収入の目安について解説します。
1. 【後期高齢者医療制度】保険料の目安はいくらになった?
厚生労働省は2026年4月10日、「後期高齢者医療制度の令和8・9年度の保険料率について」を公表しました。
こちらによると、医療分における被保険者一人当たり平均保険料額は全国平均で月額7989円となる見込みです。これは前年度と比べ7.8%増の水準です。
後期高齢者医療制度の令和8・9年度の保険料率2/4
出所:厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和8・9年度の保険料率について」
さらに【子ども分】が新設されており、こちらの全国平均は月額194円(令和8年度)となる見込みです。
【子ども分】とは、こどもや子育て世帯を社会全体で支えるため、高齢者を含む全ての世代や企業が拠出する「子ども・子育て支援金」のことです。
事象では、後期高齢者医療制度における窓口負担割合についても見ていきます。
2. 「窓口2割負担」になる条件は?単身世帯・複数世帯それぞれの年金収入目安
後期高齢者医療制度で2割負担となるか否かは、世帯単位の前年所得をもとに判定されます。窓口負担割合を決める具体的な収入基準は以下のとおりです。
2.1 医療費負担割合の判定基準
窓口負担割合 判定基準
- 3割:同じ世帯の被保険者の中に課税所得が145万円以上の人がいる場合
- 2割:同じ世帯の被保険者の中に課税所得が28万円以上の方がいる世帯のうち、同じ世帯の被保険者の「年金収入」+「その他の合計所得金額」の合計額が以下に該当する場合
- 単身世帯:年金収入とその他の所得の合計が200万円以上
- 複数人世帯:年金収入とその他の所得の合計が320万円以上
- 1割:3割・2割に該当しない人
単身の後期高齢者では年金収入約200万円以上(他の所得と合算して200万円以上)なら2割負担に該当します。年200万円は月額に換算すると約16万6000円程度で、この金額が窓口負担2割になる一つの目安と言えるでしょう。
また夫婦など複数の高齢者がいる世帯では、二人の年金収入等を合算して年間320万円以上であれば共に2割負担となります。
たとえば一方が年金年額180万円、他方が年額150万円のご夫婦(合計330万円)の場合、世帯として320万円を超えるためどちらも2割負担区分となるイメージです。
こうした2割負担となる高齢者は全体の約20%程度とされています。
3. 高額療養費を知ろう
医療費の自己負担が2割に増えると聞くと、「医療費が高額になったらどうしよう」と不安に思う人もいるかもしれません。
しかし、公的医療保険には高額療養費制度という仕組みがあり、窓口で支払った自己負担額が一定の上限額を超えた場合、その超過分が後日払い戻されることになっています。
この制度のおかげで、たとえ2割負担の人でも1か月あたりの医療費負担が際限なく膨らむことはありません。
例えば外来診療については、2割負担の区分に該当する人の自己負担限度額は1か月あたり1万8000円程度(年間上限14万4000円程度)に抑えられています。
入院を含めた世帯合算の限度額はもう少し高く設定されていますが、それでも公的保険適用の医療であれば、ひと月に自己負担する総額に必ず天井がある仕組みです。
高額療養費制度の手続きについては、通常、加入先の後期高齢者医療広域連合または市町村から高額療養費の支給案内が届くので、指示に従って申請すれば超過分の払い戻しが受けられます。
また、あらかじめ限度額適用認定証の交付を受け、医療機関に提示すれば、窓口での支払いを自己負担限度額までにとどめることも可能です。
このように、制度を活用すれば2割負担でも過度に心配する必要はありません。万一の長期療養や高額な治療に備え、加入者やご家族は高額療養費制度の存在をぜひ覚えておきましょう。
4. 年金収入を確認して負担割合を知ろう
本記事では、最新の保険料情報や窓口負担割合が2割となる人の年金収入の目安について解説しました。
大切なのは、自分の年金収入や、そのほかの収入をきちんと把握しておくことです。年金以外に給与収入や不動産収入がある場合は、それらを合算した金額によって、医療費の窓口負担割合が変わることがあります。
年金振込通知書などを見て、収入の状況を定期的に確認しておきましょう。
参考資料
- 政府広報オンライン「後期高齢者医療制度 医療費の窓口負担割合はどれくらい?」
- 厚生労働省「後期高齢者の窓口負担割合の変更等(令和3年法律改正について)」
- 東京都後期高齢者医療広域連合「高額療養費」
- 厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和8・9年度の保険料率について」
苛原 寛