2026年1月21日、田中貴金属工業が発表した金の店頭小売価格は、1グラムあたり2万7287円と最高値を更新しました。22日9時の発表は2万6884円でしたが、14時の発表では再び2万7030円と2万7000円台をつけています。

金価格の推移1/2

金価格の推移

出所:田中貴金属「金価格推移」をもとにLIMO編集部作成

「有事の金」として知られる金に興味はあるものの、「今から投資を始めると高値掴みになってしまうのでは?」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

投資のタイミングがネックになっている場合、積立投資という選択肢があります。

金への投資方法としては、シンプルに現物を積み立てる「純金積立」もありますが、この記事では現物を保有しない「金の投資信託(ファンド)」に焦点を当てて解説します。

金の投資信託であれば、NISAの成長投資枠を活用でき、税制面でのメリットがある点も特徴です。

1.  NISAで「金の投資信託(ゴールドファンド)」を選ぶ3つのメリット

金は、先行きが不透明な情勢でも価値が保たれやすいことから、「有事の金」と呼ばれてきました。

株式や債券と違い、金そのものに価値がある実物資産であり、相場が荒れたときに資産全体のクッションとして機能しやすい点が特徴です。

「金(ゴールド)」への投資方法はさまざまあります。そんな中、本記事で「投資信託」に焦点を当てる理由は、「NISAを活用できる」&「少額から積立投資が可能」だからです。

ETFもNISAで運用可能ですが、購入単位に端数が出たり、分配金の再投資に手間がかかったりと、少し中級者向け。一方、投資信託なら、一度設定すれば手間なく「金の積立」を続けられます。

それでは、NISAで金のファンドを選ぶ具体的な3つのメリットを見ていきましょう。

1.1  NISAで運用益が非課税になる

純金積立(現物)で得た利益には、通常、譲渡所得として税金がかかります。銀行などで提供されている「金投資口座」を通じた投資で現物の受け渡しがない純金投資については、一律20.315%(所得税および復興所得税15.315%、地方税5%)の税率による源泉分離課税となります。

一方、NISA口座で「金の投資信託」を購入すれば、どれだけ値上がりしても売却益は非課税です。

1.2 手数料(コスト)が低い

純金積立は、購入時に2~3%程度の手数料がかかることが一般的です。

一方、ネット証券などで「金」のインデックスファンドを買えば、購入手数料は無料(ノーロード)、保有コスト(信託報酬)も年率0.1~0.2%程度とコストを抑えられます。

1.3  少額から積立投資を始められる

金の投資信託は、NISAの「成長投資枠」を使って積み立てることができます。月々1000円といった少額から設定できるため、初心者でもハードルが低いのが魅力です。

※2026年1月現在、NISAつみたて投資枠の対象商品に「金」ファンドは含まれていません。

2. 「高値づかみ」を防ぐ「ドル・コスト平均法」

冒頭で触れたとおり、金価格は上昇し続けています。

「今がピークかもしれない」

「まだ上がるかもしれない」

と投資タイミングに迷った時に思い出ていただきたいのが「ドル・コスト平均法」です。

いまのタイミングで金を一括でドカンと買うという判断には迷いが出てしまいますよね。

一方、毎月決まった額を買い続ける積立投資なら、価格が高いときには少なく、安いときには多く買うことになります。これにより、長期的な購入単価を平準化できるため、短期的な暴落に怯える必要がなくなります。

「上がるか下がるか」を予想するのではなく、「いつ下がってもいいように、時間を分散して買う」。これが、分散投資における「時間分散」です。

また、時間分散は長期投資によりその効果を発揮できますので、積立投資=長期投資とセットとなります。

3. 金の投資信託を選ぶ時の「3つのチェックポイント」

金のファンドを選ぶときは、以下の3点に注意しましょう。

3.1 為替ヘッジの有無

金ファンドには、「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」があります。違いを理解して、自分の投資スタイルに合ったものを選びましょう。

  • 為替ヘッジあり:円安・円高の影響を抑え、純粋な金価格の変動に連動します。
  • 為替ヘッジなし:金価格に加えて、円安ならプラス、円高ならマイナスの影響を受けます。

3.2 信託報酬(コスト)

ファンドを保有している間は、ずっと信託報酬がかかります。積立投資は長期保有が前提のため、できるだけ低コストのファンドを選ぶことが重要です。

3.3 金はあくまで”分散投資”の一部に

金は利息や配当がありません。近年のように金価格が上昇する局面では、値上がり益を狙って投資をしたくなるでしょう。そうした投資も狙いの一つかもしれませんが、基本的には「有事の金=守りの資産」として考え、預貯金や株式、債券など複数の資産に分散して投資する中の1つとして位置づけるのが理想です。

4. まとめ

近年の金(ゴールド)価格の上昇を受け、金投資への興味を持ち始めた方は少なくないでしょう。

金投資といっても、その方法はさまざまです。

この記事では「NISA」「積立投資で購入タイミングを分散させる」点にポイントを置き、投資信託(ゴールドファンド)での金投資について解説しました。

金投資が良いのか、金に投資すると言っても現物を買うのが良いのか、一括か積立か、などどの方法が適切かは、人によって異なります。

投資の目的が「資産を大きく増やすこと」なのか「有事に備えて守ること」なのか。

ご自身の投資意向やポートフォリオのバランスなどを考慮して判断しましょう。

※投資にはリスクがあります。ご自身の投資意向に適しているかを踏まえて判断しましょう。

5. 参考記事