リスクオフが本格化した1週間

先週(1月11日‐1月15日)の世界の主要株式市場は続落しました。主要通貨の動きは小動きでしたが、株価の下落が世界的に進みました。

特に上海総合指数は、前週の▲10%下げに次いで先週は▲9%下落し、下げ止まりの兆候が出ていません。また、週末のシカゴCME日経平均先物は16,750円で引けています。原油価格も30ドルを割り込み、先進国の長期金利は急低下しています。リスクオフ相場が本格化しています。

中国の貿易統計や貸出の統計に景気の停滞感が反映しているうえ、米国のマクロ指標に生産と消費の両面で減速感が垣間見えました。

海外企業の決算が始まりました。日本でも住友商事がニッケルの開発に関わる減損処理をすることになりましたが、海外でも資源関連の減損や貸倒引当金の積み増しが行われるなど、昨今の資源安が企業業績に具体的な影を落とし始めています。

先週の主要市場の動き

注:現地通貨ベース、為替は円安が+、円高が‐表示

年初来の主要市場の動き 

注:現地通貨ベース、為替は円安が+、円高が‐表示

海外企業の決算ピークを迎え、中国景気とECBから目が離せない1週間に

今週(1月18日‐1月22日)は海外企業の決算発表のピークに差しかかり、日本でも注目企業が発表し始めます。海外ではIBM、ネットフリックス、ゴールドマンサックス、スターバックス、GEなど、日本では安川電機と日本電産の決算が予定されています。世界景気の変調が企業業績にどう反映されるのか注目されます。

とはいえ、最近の株価の動向は、マクロ環境に大きく左右されがちです。中国の10‐12月GDP、12月の小売売上高、鉱工業生産などの景気指標から目が離せません。原油価格や欧州中央銀行(ECB)理事会の行方も気になります。

現在の世界の株式相場は下落のスパイラルに入っているように見えます。資源価格の下げ止まりに向けた供給の抑制と、中国のマクロ経済対策の強化が必要に思われます。当面はこうした政策対応を促す“催促相場”が続きそうです。

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【2016年1月17日 投信1編集部】

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LIMO編集部