4. 《50歳→65歳で老後資金をどう準備する?》→新NISAも選択肢のひとつに
老後に必要な生活資金は人それぞれ異なりますが、公的年金や退職金だけでは不足する可能性があることを前提に、早めの対策が求められます。
「人生100年時代」と言われる中で、老後資金への不安は多くの人が抱える共通課題です。ただし、「50歳代からでは遅い」と悲観する必要はありません。
資産運用で重要なのは、できるだけ長い運用期間を確保することです。時間を味方につけることで、価格変動の影響を抑えやすくなり、安定した運用につながりやすくなります。
4.1 年率3%で運用50歳から65歳「毎月3万円」で積立投資シミュレーション
具体的なイメージを持つため、一例として試算を行います。仮に50歳から65歳までの15年間、毎月3万円をNISAで積み立て、年率3%で運用できたと仮定します。
この場合、元本540万円に対して、運用益はおよそ139万円となり、資産総額は約679万円に増える計算です。
もちろん、これは一定条件下でのシミュレーションであり、実際の運用では元本割れのリスクもあります。
ただし、長期間にわたって分散投資を続ける方法は、リスクを抑えながら資産形成を目指す手段の一つとされています。
4.2 インフレ対策を視野に入れた資産づくりを
では、この資金を銀行の普通預金や定期預金に預けていた場合、どの程度増えるのでしょうか。
大手銀行の普通預金金利は年0.2%前後が中心でしたが、近く引き上げられる見通しが示されています。ただし、現時点での実質的な水準は依然として低く、仮に年0.3%で運用できたとしても、大きな資産増加は期待しにくい状況です。
仮に540万円を15年間預け続けたとしても、得られる利息は数十万円程度にとどまります。
物価が緩やかに上昇するインフレ局面では、この利息分では生活コストの上昇を十分に補えず、結果としてお金の実質的な価値が目減りしてしまう可能性も否定できません。
年率1%にも満たない低金利環境のもとで、預金だけに頼って老後資金を増やしていくことは現実的とは言い難く、資産の一部を「増やす視点」で管理する必要性が高まっていると言えるでしょう。
4.3 NISAのメリットとは?
老後に向けた資産形成を考えるうえで、NISAは有効だと言われています。NISAの最大の特徴は、運用によって得た利益が非課税で受け取れるという点にあります。
先に示したシミュレーションでは、運用の結果として139万円の利益が生じていました。これを通常の課税口座で運用していた場合、この利益はそのまま受け取れるわけではありません。
株式や投資信託の利益には、所得税・復興特別所得税・住民税を合わせた約20%の税金が課されるためです。
139万円の利益に対して約20%が課税されると、税負担はおよそ30万円にのぼります。本来であれば、この金額を差し引かれた残りが実際に手元に残る利益となります。
しかし、NISA口座を利用していれば、こうした税金は一切かかりません。運用によって得られた139万円は、その全額を自分の資産として確保できるのです。税金による目減りがないという点は、長期で資産を育てていくほど、その差が大きくなっていきます。
この「利益をそのまま受け取れる仕組み」こそが、NISAが老後の資産形成において心強い制度だと評価されている理由と言えるでしょう。
これこそ、NISAが「個人の資産づくりの心強い味方」と言われる理由です。
