4. 【最終出口】引き取り手がいなければ国庫へ。意思を通すなら「遺言」が必須
法定相続人もおらず、特別縁故者への分与もなければ、清算後に残った財産は国庫へ帰属します。なお、預貯金は国庫へ入りますが、もし不動産を誰かと共有していた場合は、その持分が他の共有者に帰属することもあります。
「誰にも迷惑をかけたくない」「お世話になった人へ残したい、団体への寄付をしたい」と考える方は、遺言書で財産の渡し先を決めておくことが、もっとも確実な備えになります。
5. 【おひとりさまの相続】自分の財産を「誰のために」使いたいか、未来への準備を。
今回は、身寄りがない方の遺産がどのようなプロセスを辿るのか、以下の4つのステップに沿って解説しました。
- 戸籍調査による法定相続人の有無の確認
- 「相続財産清算人」による債務清算と財産管理
- 「特別縁故者」への財産分与の申し立て
- 引き取り手がいない場合の「国庫帰属」
「おひとりさま」の相続は、放置してしまうと国庫に帰属する可能性が高くなります。自分の財産をどのように役立ててほしいか、誰に受け取ってほしいかという希望がある場合は、早めに専門家へ相談し、遺言書の作成を検討することをおすすめします。それが、自分自身の安心だけでなく、残された周囲の人々への思いやりにもつながるはずです。
参考資料
- e-Gov法令検索「民法 第5編 相続/第6章 相続人の不存在(951条~959条)(相続財産清算人、特別縁故者、国庫帰属まで規定)」
- 政府広報オンライン「知っておきたい相続の基本。大切な財産をスムーズに引き継ぐには?【基礎編】」
- 最高裁判所「相続財産清算人の選任」
- 最高裁判所「相続財産清算人の選任の申立書」
- 最高裁判所「記入例(相続財産清算人選任申立書)」
- 最高裁判所「特別縁故者に対する相続財産分与」
- 最高裁判所「特別縁故者に対する相続財産分与の申立書」
- 最高裁判所「記入例(特別縁故者に対する相続財産の分与)」
村岸 理美