2026年1月7日、財務省は当月募集分となる個人向け国債の発行条件を公表しました。

募集期間は2026年1月8日から1月30日までで、対象となる変動10年、固定5年、固定3年の各タイプについて、それぞれの金利が示されています。

初回の適用利率は、変動10年が年1.39%、固定5年が年1.59%、固定3年が年1.30%で、これらはいずれも、2025年11月募集分と比べて大幅に引き上げられており、現在の金利動向を反映した水準といえます。

中でも固定5年は、3種類の中で最も高い利率となっている点が特徴です。

本記事では、2026年1月募集分の個人向け国債の条件を整理しつつ、仕組みやこれまでの金利の推移について解説していきます。

1. 日本政府が発行する「個人向け国債」とはどのようなものか?

個人向け国債は、日本政府が発行する債券のうち、個人を対象として提供されている金融商品です。

国が元本および利息の支払いを行う仕組みとなっているため、国内の金融商品の中でも安全性が非常に高い資産とされています。

個人向け国債には、金利が見直される「変動金利型」と、利率が一定の「固定金利型」があり、タイプごとに満期の期間が設定されています。

1.1 ①変動金利タイプ:10年満期

  • 半年ごとに適用利率が見直される
  • 適用金利には下限(0.05%)が設定されている
  • 市場の金利が上昇すると受けとる利息も増えるメリットがある

1.2 ②固定金利タイプ:5年満期

  • 発行時に決定された金利が、満期まで変わらず適用される

1.3 ③固定金利タイプ:3年満期

  • 発行時に決定された金利が、満期まで変わらず適用される

次章では、個人向け国債の特長についてさらに詳しく見ていきましょう。

2. 「個人向け国債」が選ばれている魅力的な特長とは

個人向け国債は、「安全性を重視した資産運用を考える人」に向いている金融商品です。

最大の特長は、満期時に元本が必ず戻る「元本割れなし」の仕組みで、利子の支払いも含め国が責任を持って行います。

さらに、経済情勢により金利が低下しても、年率0.05%の最低金利が保証されています。

購入は1万円から可能で、証券会社や銀行、郵便局など身近な金融機関で手軽に始められる点も魅力です。

毎月発行されており、変動10年・固定5年・固定3年の3タイプから選択できます。

また、発行から1年経過後は、1万円単位で中途換金も可能なため、急な資金需要にも対応しやすい商品といえるでしょう。

では、2026年1月8日(木)から1月30日(金)まで募集される最新の個人向け国債では、金利はどの水準となるのでしょうか。

3. 【最新情報】2026年1月募集の「個人向け国債の金利」について

2026年1月募集の個人向け国債の金利は、次のとおりとなっています。

国債の金利一覧1/4

国債の金利一覧

出所:財務省「個人向け国債窓口」

3.1 1月募集「個人向け国債」の募集期間:2026年1月8日(木)~1月30日(金)

  • 変動金利型10年:1.39%(2025年11月募集分は1.10%→2025年12月募集分は1.23%)
  • 固定金利型5年:1.59%(2025年11月募集分は1.19%→2025年12月募集分は1.35%)
  • 固定金利型3年:1.30%(2025年11月募集分は0.99%→2025年12月募集分は1.10%)

変動10年・固定5年・固定3年の各タイプはいずれも、2025年11月募集分と比べて利率が上昇しています。

3.2 3種類の「個人向け国債」人気を集めているのはどれか?

2026年1月8日に財務省が発表した、2025年12月分の個人向け国債における「種類別応募額」は以下のとおりです。

個人向け国債の応募額(2025年12月)2/4

個人向け国債の応募額(2025年12月)

出所:財務省「個人向け国債の応募額(令和7年12月)」

  • 個人向け利付国庫債券(変動 10年)第189回債:2112億円
  • 個人向け利付国庫債券(固定 5年) 第177回債:2136億円
  • 個人向け利付国庫債券(固定 3年) 第187回債:785億円

なかでも固定5年は応募額が突出しており、多くの支持を集めていることが分かります。

4. 個人向け国債の「変動10年」は、半年ごとに利率が再設定される

これまで述べてきたように、変動金利型は6カ月ごとに利率が更新されます。

2024年3月のマイナス金利解除以降、金利水準は徐々に上昇傾向にあります。

ここからは、個人向け国債の変動金利がどのように変化してきたかを見ていきます。

個人向け国債「変動10年(第158回債)」発行条件3/4

個人向け国債「変動10年(第158回債)」発行条件

出所:財務省「変動10年(第158回)の発行条件」

個人向け国債「変動10年(第158回)」適用利率の推移

  • 令和5年6月16日から令和5年12月15日:0.28%
  • 令和5年12月16日から令和6年6月15日:0.60%
  • 令和6年6月16日から令和6年12月15日:0.57%
  • 令和6年12月16日から令和7年6月15日:0.65%
  • 令和7年6月16日から令和7年12月15日:0.84%
  • 令和7年12月16日から令和8年6月15日:1.10%

適用利率0.28%でスタートした変動10年の第158回発行債は、その後も上昇が続き、現在は1.10%まで高まっています。

ただし、変動金利型であるため、今後も利率が一貫して上昇するとは限らない点には留意が必要でしょう。

国債金利の推移4/4

国債金利の推移

出所:財務省「国債金利情報」をもとにLIMO編集部作成

また、今後の状況次第では、適用利率が低下する可能性があることにも注意が必要です。

5. 【ケース別で確認】「個人向け国債」と「定期預金」どちらを選ぶべき?

「個人向け国債」と「定期預金」のどちらにするべきか、迷っている方も少なくないでしょう。

どちらも元本割れのリスクが低い点は共通していますが、仕組みや特徴には違いがあります。

ここでは、それぞれの特性を整理したうえで、資金の用途や目的、重視したいポイントに応じた選び方を見ていきます。

5.1 個人向け国債が「定期預金より優位」となる3つのケースをチェック

個人向け国債は、国が元本と利息の支払いを保証していることから、極めて高い安全性を備えている点が大きな特長です。

ケース1:資産の「守り」と「安心感」を最重視したい

判断の軸となるのは、「どの程度まで元本割れを避けたいか」という点です。

国債は元本割れのリスクが非常に小さく、資産を減らしたくない高齢者や、退職金受け取り後の運用先としても選ばれやすい商品です。

さらに、投資経験が少ない人が、リスクを抑えつつ資産形成を始める際の選択肢としても適しているといえるでしょう。

ケース2:将来的な金利上昇を見込んでいる

判断のポイントとなるのは、「金利がどの程度変動に対応するか」という点です。

変動10年型の個人向け国債は、半年ごとに利率が再設定されるため、今後日本の金利が上向くと想定する場合には、メリットを得られる可能性があります。

一方で、定期預金は基本的に満期まで金利が固定されており、途中で金利が上昇しても受け取る利息は増えません。

その点、個人向け国債であれば、金利の動きに応じて利息が増える余地があるといえます。

なお、金融機関によっては変動金利型の定期預金を提供しているケースもあります。

国債に限らず、適用利率の推移も確認しながら比較検討するとよいでしょう。

ケース3:運用資産の分散で「安全性を重視した資産」を確保したい

判断の観点として重要なのは、「資産全体の安定性をどのように高めるか」です。

株式や投資信託など値動きのある資産を保有している場合、資産配分の一部に安全性の高い個人向け国債を組み込むことで、ポートフォリオ全体の安定感を高めやすくなります。

リスク資産と安全資産を適切に組み合わせる方法として、個人向け国債を活用するのは有効な選択肢といえるでしょう。

5.2 定期預金が「個人向け国債より優位」となる2つのケースをチェック

個人向け国債は高い安全性が魅力である一方、留意すべき点も存在します。

資金の用途や運用目的によっては、個人向け国債よりも定期預金や他の金融商品のほうが適している場合もあるため、事前に確認しておくことが大切です。

ケース1:短期間で資金が必要になる可能性がある

判断のポイントとなるのは、「資金の動かしやすさ」と「途中解約時の扱い」です。

個人向け国債は、購入から1年間は原則として途中換金ができません。

さらに、1年経過後に中途解約する場合でも、直前2回分の利子相当額が差し引かれる仕組みになっています。

一方、定期預金は途中で解約しても元本は確保されます。

解約時には当初より低い金利が適用されることはありますが、国債のように利息分を控除される形ではないのが一般的です。

近いうちに資金を使う可能性がある場合には、定期預金のほうが柔軟に対応しやすい選択肢といえるでしょう。

ケース2:市場金利の急激な上昇期である

判断の視点となるのは、「金利の変化がどの程度迅速に反映されるか」です。

変動10年型の個人向け国債では、利率の見直しは半年に一度のタイミングで行われます。

そのため、市場金利が急激に上昇した場合でも、その影響が即座に国債の利率へ反映されるわけではありません。

このような時間差があるため、高金利の定期預金へすぐに資金を移せるケースと比べると、金利上昇局面における収益機会を逃す可能性がある点には注意が必要です。

6. 金利環境と目的に合わせて「個人向け国債」を賢く選ぼう

本記事では、2026年1月募集分の個人向け国債の条件を整理しつつ、仕組みやこれまでの金利の推移について解説していきました。

2026年1月募集分の個人向け国債では、変動10年・固定5年・固定3年の全タイプで利率が引き上げられ、現在の金利水準を色濃く反映した結果となっています。

なかでも固定5年は、利率の高さに加えて応募額も多く、注目度の高いタイプといえるでしょう。

個人向け国債は、元本が確保され、最低金利が設定されている点が安心材料ですが、金利が見直されるタイミングや中途換金時の取り扱いなど、定期預金とは異なる特徴もあります。

資産を守ることを重視するのか、金利上昇の恩恵を期待するのか、それとも資金の動かしやすさを優先するのか、資金の目的や運用方針を整理しつつ、金利の動向を踏まえて選択する姿勢が求められるでしょう。

参考資料

川勝 隆登