5.2 定期預金が「個人向け国債より優位」となる2つのケースをチェック

個人向け国債は高い安全性が魅力である一方、留意すべき点も存在します。

資金の用途や運用目的によっては、個人向け国債よりも定期預金や他の金融商品のほうが適している場合もあるため、事前に確認しておくことが大切です。

ケース1:短期間で資金が必要になる可能性がある

判断のポイントとなるのは、「資金の動かしやすさ」と「途中解約時の扱い」です。

個人向け国債は、購入から1年間は原則として途中換金ができません。

さらに、1年経過後に中途解約する場合でも、直前2回分の利子相当額が差し引かれる仕組みになっています。

一方、定期預金は途中で解約しても元本は確保されます。

解約時には当初より低い金利が適用されることはありますが、国債のように利息分を控除される形ではないのが一般的です。

近いうちに資金を使う可能性がある場合には、定期預金のほうが柔軟に対応しやすい選択肢といえるでしょう。

ケース2:市場金利の急激な上昇期である

判断の視点となるのは、「金利の変化がどの程度迅速に反映されるか」です。

変動10年型の個人向け国債では、利率の見直しは半年に一度のタイミングで行われます。

そのため、市場金利が急激に上昇した場合でも、その影響が即座に国債の利率へ反映されるわけではありません。

このような時間差があるため、高金利の定期預金へすぐに資金を移せるケースと比べると、金利上昇局面における収益機会を逃す可能性がある点には注意が必要です。