5.2 定期預金が「個人向け国債より優位」となる2つのケースをチェック
個人向け国債は高い安全性が魅力である一方、留意すべき点も存在します。
資金の用途や運用目的によっては、個人向け国債よりも定期預金や他の金融商品のほうが適している場合もあるため、事前に確認しておくことが大切です。
ケース1:短期間で資金が必要になる可能性がある
判断のポイントとなるのは、「資金の動かしやすさ」と「途中解約時の扱い」です。
個人向け国債は、購入から1年間は原則として途中換金ができません。
さらに、1年経過後に中途解約する場合でも、直前2回分の利子相当額が差し引かれる仕組みになっています。
一方、定期預金は途中で解約しても元本は確保されます。
解約時には当初より低い金利が適用されることはありますが、国債のように利息分を控除される形ではないのが一般的です。
近いうちに資金を使う可能性がある場合には、定期預金のほうが柔軟に対応しやすい選択肢といえるでしょう。
ケース2:市場金利の急激な上昇期である
判断の視点となるのは、「金利の変化がどの程度迅速に反映されるか」です。
変動10年型の個人向け国債では、利率の見直しは半年に一度のタイミングで行われます。
そのため、市場金利が急激に上昇した場合でも、その影響が即座に国債の利率へ反映されるわけではありません。
このような時間差があるため、高金利の定期預金へすぐに資金を移せるケースと比べると、金利上昇局面における収益機会を逃す可能性がある点には注意が必要です。
著者
ファイナンシャルアドバイザー。京都教育大学卒業後、SMBC日興証券株式会社に入社。個人・法人の資産運用コンサルティング業務に従事。「株式・投資信託・債券」などを中心とした資産運用や、保険商品を活用した相続対策など、お金に関するトータルサポートをおこなった。現在は金融IT企業で個人向け資産運用のコンサルティング業務を行う。一種外務員資格(証券外務員資格)、AFP(Affiliated Financial Planner)保有。また、専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト「LIMO&ファイナンス」でも執筆を行う。(2026年7月11日更新)
監修者
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)や一種外務員資格(証券外務員一種)などを保有するメンバーが多数在籍する「LIMO編集部 証券出身者チーム」は、株式会社モニクルリサーチが運営する経済メディア『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』において、大手証券会社などの金融機関で資産運用のアドバイザリー業務に従事してきた証券会社出身者を中心に構成された編集チームです。
野村證券株式会社出身の宮野茉莉子や、日興コーディアル証券株式会社(現・SMBC日興証券株式会社)出身の安達さやかなど、第一線の金融現場でキャリアを積んだ編集者が在籍し、証券会社の支店において国内外株式、債券、投資信託、保険商品などの販売を通じた個人顧客向け資産運用コンサルティング業務に携わってきました。顧客一人ひとりのライフプランやリスク許容度に応じた、丁寧でわかりやすい資産運用提案を強みとしています。
記事制作にあたっては、厚生労働省、金融庁、などの官公庁が公表する一次情報や統計データを重視し、正確性と客観性を大切にした執筆・監修を行っています。取り扱いテーマは、公的年金(厚生年金保険と国民年金)、社会保障制度、貯蓄、教育、キャリアなど多岐にわたります。
(最新更新日:2026年1月9日)