6. まとめにかえて
最新のデータから、70歳代の貯蓄や年金の実態、そして日々の家計収支の姿が見えてきました。
冒頭の調査データでも多くの70歳代が家計に「ゆとりがない」と回答していましたが、その背景には、平均的なシニア無職夫婦の家計で月々4万2434円の赤字(年間でおよそ51万円の取り崩しが必要)が生じているという厳しい現実があります。
さらに、「物価上昇」や「医療・介護費用の負担増」に対する強い懸念が、シニア世代の心理的なゆとりを奪っている要因と言えるでしょう。貯蓄額を見ても、2000万円を超える世帯が4割近く存在する一方で、金融資産を持たない世帯も約1割存在しており、老後の「資産格差」は鮮明になっています。
健康寿命が延びる中、日々の不安を和らげて心穏やかな老後を過ごすためには、ご自身の「現在地」を正確に把握することが大切です。
今ある預貯金の残高を過度に減らさないよう、家計のムダを見直したり、健康なうちは短時間の就労で収入を補ったりと、身の丈に合った対策が求められます。
物価高などの不確実な要素は今後も続きますが、新NISAのような税制優遇制度も上手に活用しながら、長期的な視点で「資産寿命」を延ばす準備を進めていきましょう。
参考資料
マネー編集部貯蓄班
著者
マネー編集部貯蓄班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、大手証券会社やメガバンク等の金融機関にて勤務経験のある編集者が中心となり、金融庁や総務省など官公庁の公開情報等をもとにお金の課題に寄り添う専門チームです。
主なメンバーは野村證券株式会社出身の宮野茉莉子、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか、地方自治体職員出身の太田彩子、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、日本生命保険相互会社出身の村岸理美など。
編集者の多くは、金融機関にて個人リテール業務を経験。若年層からシニア層、富裕層に至るまで、幅広い顧客に対し、投資信託・保険を中心とした総合的なライフプランニングを実行してきた。なかには、リテール営業で社内トップの実績を持ち、行内で表彰された実力者も。人材育成や社内教育にも携わるなど、金融知識と実務経験の両面で信頼される編集者が在籍しています。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。(最新更新日:2025年6月23日)
監修者
二種外務員資格(証券外務員二種)記者/編集者/校閲者/
ニ種外務員資格(証券外務員二種)・相続診断士・認知症介助士・終活ガイド資格1級保有。早稲田大学第一文学部史学科卒。学参系編集プロダクションなどで校閲・編集・執筆を経験。人文・社会系一般書籍、中学・高校社会科教材、就職試験問題の制作関連業務で15年以上の経験を持つ。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』において、金融系メディアの編集者兼執筆者として、コンテンツ制作や編集を担当。
総務省「家計調査」・厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査」などの一次資料に基づくデータ記事の執筆に強み。紙媒体での経験に加え、家族の介護を通じて得た知見を生かしながら、「お金とくらし」にまつわる情報を丁寧に発信している。(2026年2月12日更新)