6. 「採用でAIを使わない」決断をした企業:ロート製薬の事例

ロート製薬では、2027年新卒採用において、これまでの主流だったエントリーシート(ES)による書類選考を廃止し、社員と15分間直接話すことから始める「Entry Meet採用」を導入しました。

同社が効率的な「AI面接」や「AI選考」ではなく、あえて「まず会う」というスタイルを選んだ背景には、就活が効率や対策に寄りすぎてしまい、かえって学生の負担が増えているという構造への懸念があるようです。

企業にたくさんの書類が届き、選考しなければならないことから、学生は選考通過企業を増やすためにもたくさんのESを書くという状況に、同社は疑問を持ち、書類選考を廃止したとのこと。15分間でも会って話すことは、その人の価値観を探り、想いを確かめていく手段だと言えます。

同社はAIそのものを否定するのではなく、「人と向き合う採用」を守るためにあえて手間をかけるという、新たな企業の姿勢を示しています。

7. まとめにかえて

企業にとって、生成AIの導入がもはや業務効率化のためだけではなく、「時代の変化に対応し、就活生に来てもらうための必須条件」になりつつあることがわかります。

「AI禁止」というルールが、意図せず「時代の変化に疎い」というメッセージとして学生に伝わってしまう今、企業にはAIの安全な利用環境の整備が急務となっています。

しかし、なんでもAIに頼ればよいというわけではないことも事実。AIができることを見極め、人の手をかけるべきところでは人が働いていくことが大切だと言えるでしょう。

参考資料

LIMO・U23編集部