では、60代の実際の貯蓄額はどのくらいなのでしょうか。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](平成30年)」によると、60代の金融資産保有額(金融資産保有世帯)の平均は2415万、中央値は1500万という結果でした。
また、金融資産非保有世帯も含めた平均は1849万円、中央値が1000万円となっています。なお、「貯蓄」には預貯金だけではなく、株式や債券、投資信託、生命保険などが含まれる点も踏まえておきましょう。
老後資金はどう準備したらいいか
老後資金は長期にわたって貯めていくことになるため、ほかの目的と分けた口座に貯めておくのがおすすめです。1カ月あたりにいくら貯めていくか、ボーナス時にはいくら上乗せするかも決めておきましょう。
また、個人型確定拠出年金のiDeCoを利用する手もあります。60歳になるまで原則お金を引き出せないため、老後資金を確実にキープすることができます。掛金を拠出するとき、運用益が出たとき、受け取るときに節税効果が得られるメリットもあります。
iDeCoについて詳しくは、以下を参考にしてください。
「これからiDeCoを始める人が知っておきたい基礎知識5選」
また、どうしても貯蓄がうまくいかない場合は、収入を増やす方法を考えてみましょう。より多くの年収が見込める会社に転職する、副業でさらなる収入を得るなどの手段で、貯蓄に充てるお金を生み出すのです。妻が専業主婦なら、働いて厚生年金に加入するのもひとつの方法ですよ。
まとめ
将来も現在と同じ年金額を受け取れるとは言い切れないため、老後資金はできるだけゆとりをもって準備する方が安心でしょう。定年退職後に年金以外の収入が見込めない場合、生活水準によっては3000万円以上が必要となることも考えられます。「老後はまだまだ先のこと」と先延ばしにせず、早いうちから老後の備えを始めておきましょう。
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。
LIMO編集部