4. 個人向け国債は今、買うタイミングなのか?
個人向け国債は、株式や投資信託のように値上がり益を狙う商品ではありません。
その役割はあくまで、元本の安全性を最優先しながら、金利環境の変化を一定程度取り込む「資金の置き場所」です。
その前提に立ったうえで、「金利上昇局面の考え方」と「これからさらに金利が上がる可能性への向き合い方」を整理していきましょう。
4.1 「金利上昇局面」での考え方
金利が上昇局面に入ると、「今すぐ買うべきか、もう少し待つべきか」で悩む人が増えます。
結論から言えば、個人向け国債は一括購入よりも「時期分散」が基本です。
変動10年は、半年ごとに適用利率が見直される仕組みを持っていますが、購入時点の金利水準が将来の利回りに影響を与えるのも事実です。
金利がさらに上昇すれば、後から買った国債のほうが高い利率でスタートする可能性があります。
そのため、「今が天井か底か」を予測してタイミングを計るといった行動は、合理的とは言えません。
4.2 これからさらに金利が上がる可能性への向き合い方
今後の金利動向について、確実な予測は不可能です。市場では「追加利上げの可能性」や「一時的な調整」など、さまざまな見方が交錯しています。
ここで重要なのは、個人向け国債に金利上昇の完全な取り込みを期待しすぎないことです。
変動10年は市場金利に連動するとはいえ、基準金利に対して一定の掛け目がある点や、利率の見直しは半年に一度といった制約があります。
つまり、短期的な金利上昇をフルに享受する商品ではありません。
その代わり、「金利が下がれば最低利率が保証される」「金利が上がれば、時間差で利率も引き上げられる」という非対称的なリスク構造を持っています。
この点を理解したうえで、「今後も金利が動く可能性があるなら、少しずつ持っておく」という姿勢が、現実的な向き合い方といえるでしょう。