「貯蓄から投資へ」の成果が数字に表れ始めています。

2025年12月18日発表のJ-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査」によると、二人以上世帯の金融資産は平均1940万円(中央値720万円)と大幅に増加。

特筆すべきは、資産増の理由として「株式評価額の増加」や「配当」といった運用益が、給与増や貯蓄を上回った点です。

投資による資産形成の効果が鮮明になる中、今年こそ新NISAを始めてみようと検討している人もいるでしょう。

本記事では、50歳から65歳までの15年間、毎月5万円を積み立てた場合をシミュレーション。年率1%~5%の利回り別に試算し、制度の活用メリットとともに解説します。

1. 【制度の基本】改めて確認したい新NISAのメリット

最初に、新NISA制度の概要を押さえておきましょう。

NISAは、投資で得た利益に税金がかからない仕組みです。通常、株式や投資信託で利益が出ると、運用益の約20.315%が税金として差し引かれます。しかし、NISA口座を使って運用した場合は、利益をそのまま受け取ることができます。

この制度は2014年に始まり、2024年から内容が大きく見直されました。現在は「新NISA」として、非課税で運用できる期間が無期限になり、より長期的な資産づくりに使いやすい制度へと進化しています。

1.1 新NISAの「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の特徴を整理

新NISAには、性質の異なる2つの投資枠があります。

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴2/3

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴

出所:金融庁「NISAを知る」

新NISA「成長投資枠」

  • 年間投資上限:240万円
  • 非課税保有期間:無期限
  • 投資対象:上場株式、投資信託など

新NISA「つみたて投資枠」

  • 年間投資上限:120万円
  • 非課税保有期間:無期限
  • 投資対象:投資信託、ETFなど

非課税保有限度額(総枠):1800万円(うち成長投資枠1200万円)※枠の再利用が可能

最大の利点は、売却益・分配金にかかる税金がどちらもかからないことです。利益をそのまま手元に残せるため、資産形成を始める際の選択肢として優先的に検討する価値があります。

また、2つの投資枠は併用できるため、毎月の積立には「つみたて投資枠」、余裕資金の運用には「成長投資枠」といったように、目的や資金状況に応じた使い分けも可能です。

非課税期間が無期限となったことで、長期視点での運用もしやすくなりました。

2. 【新NISA】50歳→65歳「毎月5万円の積立投資を続けたら?」想定利回り年率1~5%でシミュレーション!

次に、具体的な条件を設定し、実際にどの程度の資産が形成されるのかを見ていきます。

シミュレーション条件

  • 期間:50歳から65歳までの15年間
  • 積立額:毎月5万円
  • 年利:1~5%

2.1 「毎月5万円」×15年×想定利回り「年率1~5%」でシミュレーション

毎月5万円を15年間積み立てた場合、元本は900万円です。これを想定利回りごとに運用すると、資産評価額は次のようになります。

【新NISA】想定利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果3/3

【新NISA】想定利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

想定利回り:資産評価額※元本は900万円

  • 年1%:970万6000円
  • 年2%:1048万6000円
  • 年3%:1134万9000円
  • 年4%:1230万5000円
  • 年5%:1336万4000円

年利1〜2%で推移した場合、最終的な資産額はおおむね1000万円前後にとどまります。

一方、年4%以上で運用できれば1200万円超、5%では1300万円を超える水準となり、利回りの違いが結果に大きく影響することが分かります。

ただし、利回りはあくまで想定であり、実際の運用成果が保証されるものではありません。市場環境によっては元本割れの可能性もあります。

どの程度のリスクを許容できるかは、家計状況やライフプランによって異なります。シミュレーション結果を参考にしつつ、無理のない水準で資産運用を検討することが重要です。

3. 積立額を変えた場合の現実的な選択肢

毎月5万円の積立シミュレーションを紹介しましたが、毎月5万円の積立が理想だと感じても、実際には家計の状況によって難しい場合もあります。

そのようなときは、無理に金額を維持しようとするよりも、積立額を調整しながら続けることが現実的です。

たとえば毎月3万円や2万円であっても、15年間継続すれば元本はそれぞれ540万円、360万円となり、運用次第では老後資金の一部を確保する役割を果たします。

積立額を下げることは「意味がない選択」ではなく、家計への負担を抑えつつ資産形成を続けるための判断と言えるでしょう。

大切なのは金額の大小よりも、長期間にわたって積立を続けられるかどうかです。

収入や支出の変化に応じて積立額を見直しながら、新NISAを活用して無理のないペースで老後資金を準備していく視点が重要です。

4. まとめにかえて:将来の生活を支えるために今できること

本記事では、新NISAの「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の特徴を整理し、50歳から65歳までの15年間、毎月5万円を積み立てた場合のシミュレーションを行いました。

2025年の調査結果が示す通り、資産形成のフェーズは「貯蓄」から「運用」へと確実にシフトしています。

シミュレーションでは、50歳代からでも、利回り次第で老後資金の大きな支えとなる結果も出ています。

もちろん投資にはリスクも伴います。メリットとデメリットを正しく理解し、ご自身の許容範囲内で新NISAを活用することが、豊かな老後への第一歩となるでしょう。

参考資料