2. 【高額療養費制度】4回目から負担が軽減・定額「多数回該当」とは?

今回の制度見直しで注目されるしくみのひとつが、長期間にわたる治療が必要な方を支える「多数回該当」です。

2.1 4回目から軽減《多数回該当》「年収約370万円の人」どのくらい負担が減る?

多数回該当とは、同一世帯で、過去12か月のうちに高額療養費の対象となった月が3回以上ある場合、4回目以降の自己負担限度額が大きく引き下げられるしくみです。

この制度があることで、がん治療など、継続的に高額な医療費がかかるケースでも、家計への負担が過度に重くならないよう配慮されています。

たとえば、年収約370万円〜約770万円の区分では、通常の限度額は

  • 「8万100円+(医療費−26万7000円)×1%」

となっていますが、多数回該当に該当すると、月額4万4400円の定額負担に軽減されます。

がん治療などで継続的に高額な医療費がかかる場合でも、家計への影響が過度に大きくならないよう配慮されている点が、この制度の重要な役割です。今回の見直し案では、この多数回該当については、現行水準を維持すべきだという考え方が示されています。