本日はクリスマス。街にはイルミネーションが灯り、年末を意識する季節となりました。

「もし大きな病気になったら、医療費はどれくらいかかるの?」と不安を感じる方もいるかもしれません。そんなとき、家計を支えるのが高額療養費制度です。現在、政府ではこの制度の見直しに向けた議論が進められており、2025年12月には専門委員会から基本的な考え方が示されました。

今回は高額療養費制度の基本、見直しのポイントと「多数回該当」「外来特例」という重要なしくみについて解説します。

1. 【高額療養費制度】自己負担いくらまで?マイナ保険証「手続きなし」で制度利用OK!

高額療養費制度は、1か月の医療費の自己負担が高額になった際に、家計への過度な影響を防ぐための制度です。医療機関の窓口ではいったん自己負担分を支払いますが、後日、上限額を超えた分が払い戻されます。これを「償還払い」と呼びます。

一方、入院や同じ医療機関での外来診療では、窓口での支払いをあらかじめ自己負担限度額までに抑えられる「現物給付」の仕組みも用意されています。

この現物給付を利用する際に便利なのが、マイナ保険証です。従来は、窓口での支払いを限度額以内にするために、事前に「限度額適用認定証」を取得し、医療機関に提示する必要がありました。

しかし、マイナ保険証を利用すれば、認定証を準備しなくても、所得区分に応じた自己負担限度額が自動的に適用されます。急な入院や通院でも、手続きの負担が軽くなる点は大きなメリットといえるでしょう。