国家公務員は「収入が安定している」「待遇が良い」といったイメージを持たれやすい職業です。

なかには、国家公務員は給与やボーナスをいくらくらいもらっているのか、気になる人もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、国家公務員の平均給与や年収、職種による給与差について、整理しながら解説していきます。

1. 国家公務員の平均給与は42万4979円!その内訳も確認!

国家公務員の給与は法律や人事院の制度にもとづき、「俸給」と呼ばれる基本給を軸に、地域手当や扶養手当、住居手当などを加えた形で構成されています。

人事院給与局「令和7年国家公務員給与等実態調査報告書」によると、国家公務員の平均給与月額の内訳は以下の通りです。

国家公務員の平均給与月額内訳1/4

国家公務員の平均給与月額内訳

出所:人事院給与局「令和7年国家公務員給与等実態調査報告書」 をもとに筆者作成

1.1 国家公務員の平均給与月額の内訳

項目:平均月額

  • 俸給:34万5458円
  • 地域手当等:4万4336円
  • 俸給の特別調整額:1万1810円
  • 扶養手当:8573円
  • 住居手当:7227円
  • その他:7575円
  • 合計:42万4979円

月収の大半を占めているのが「俸給」であり、成果給や歩合給のような要素はほとんど含まれていないことがわかります。

国家公務員の給与は、安定性を重視した設計です。

ただし、国家公務員の平均給与月額として公表されている「42万4979円」は、その中身を正しく捉える必要があります。

この平均値は、すべての職種をまとめて算出したものです。

なかには、高度な専門性が求められる「医療職(86万8880円)」や、組織の幹部層である「指定職(104万4184円)」など、給与水準が高い層も含まれています。

こうした一部の層が全体の平均を押し上げているため、統計上の平均はあくまで一つの目安であり、職種による給与の差という実態をふまえて判断することが大切です。

では、この水準は民間企業と比べるとどの程度なのでしょうか。

1.2 国家公務員と民間企業「ボーナスを除く、平均給与」どれくらい違う?

国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」によれば、1年を通じて勤務した民間企業の給与所得者の平均給与は477万5687円となっています。

このうち、賞与を除いた年収(平均給料・手当)は402万9344円であり、これを月額に換算すると33万5778円となります。

  • 国家公務員:平均月収42万4979円
  • 民間企業:平均月収33万5778円

平均月収で比較すると、国家公務員のほうが8万9201円高い計算です。

ただし、この数値はあくまで全職種の平均値です 。

雇用形態別の平均給与を見ると、正社員は544万9044円であるのに対し、正社員以外(パート・アルバイトなど)は206万3869円となっており 、働き方によって2.6倍以上の大きなひらきがあるのが実情です。

1.3 国家公務員の給与「調整される」仕組みとは?

国家公務員の給与は「ラスパイレス比較」と呼ばれる仕組みによって、学歴や勤続年数、職務内容といった条件をそろえたうえで、民間企業の給与水準と比較しながら調整されています。

実際、最新の公的データを見ると、民間企業の平均給与(477万5687円)は前年度から3.9%増加しました 。

これに対し、国家公務員(行政職)の給与改定率は3.3%(令和6年度人事院勧告ベース)となっており、民間の動向を踏まえた調整が行われていることがわかります。

つまり、国家公務員の給与は、民間とのバランスを前提に制度として設計されている点が大きな特徴といえるでしょう。

2. 国家公務員で最も平均給与が高いのは「指定職」!

国家公務員と一口にいっても、その職種は多岐にわたります。

行政の企画や運営を担う職種もあれば、税務や治安、教育、医療、研究といった専門分野に従事する職種もあり、業務内容は大きく異なるのが実態です。

そのため、平均給与にも職種ごとの差が見られます。

人事院給与局が公表した「令和7年 国家公務員給与等実態調査報告書」によると、職種別の平均給与月額は以下の通りです。

国家公務員の職種別平均給与月額2/4

国家公務員の職種別平均給与月額

出所:人事院給与局「令和7年国家公務員給与等実態調査報告書」

2.1 国家公務員の職種別の平均給与月額

職種:平均給与月額

  • 行政職(一):41万4480円
  • 行政職(二):33万7907円
  • 専門行政職:46万1821円
  • 税務職:44万2129円
  • 公安職(一):39万9794円
  • 公安職(二):42万4820円
  • 海事職(一):46万3723円
  • 海事職(二):39万1116円
  • 教育職(一):48万8212円
  • 教育職(二):46万7537円
  • 研究職:56万4064円
  • 医療職(一):86万880円
  • 医療職(二):36万8522円
  • 医療職(三):37万5323円
  • 福祉職:39万5165円
  • 専門スタッフ職:61万4766円
  • 指定職:104万4184円
  • 第一号任期付研究員:53万546円
  • 第二号任期付研究員:42万1092円

表を見ると、多くの職種が30万円台後半から50万円台に分布していることがわかります。

行政職や公安職、福祉職など、国の業務を幅広く支える職種は、この範囲に収まるケースが一般的です。

その中で、特に平均給与が高いのが「指定職」で、月額100万円を超えています。

指定職には、事務次官や各省庁の局長、研究所や国立病院の長などが該当します。

国の政策決定や組織運営の中枢を担う立場であり、職務の責任や影響範囲が極めて大きいことから、一般的な俸給表とは異なる「職務給」として給与が定められています。

民間企業でいえば、役員クラスの報酬に近い位置づけと考えると理解しやすいでしょう。

また、「医療職(一)」の平均給与も高水準となっています。

これは、国立病院や国立がんセンターなどで勤務する医師や歯科医師が該当する職種であり、高度な専門知識や資格が求められることが背景にあります。

さらに、研究職や専門スタッフ職、任期付研究員なども比較的高い水準にあります。

これらの職種は、特定分野における専門的な知見や実績が求められるケースが多く、一般的な行政事務とは異なる役割を担っています。

3. ボーナスを含めると年収はどうなる?国家公務員と民間企業との違いに注目!

ここまでは国家公務員の平均的な月収を見てきましたが、実際の年収を考えるうえでは、ボーナスの存在も欠かせません。

国家公務員と民間企業では、ボーナスを含めた年収はどれくらい違うのでしょうか。

3.1 「国家公務員」ボーナスを含めた年収

国家公務員には、夏と冬の年2回、「期末・勤勉手当」と呼ばれるボーナスが支給されます。

内閣人事局によると、直近の支給実績は以下の通りです。

「国家公務員」2025年6月期の期末・勤勉手当3/4

「国家公務員」2025年6月期の期末・勤勉手当

出所:内閣人事局「令和7年6月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給」

「国家公務員」2025年12月期の期末・勤勉手当4/4

「国家公務員」2025年12月期の期末・勤勉手当

出所:内閣人事局「令和7年12月期の期末・勤勉手当を国家公務員に支給」

  • 2025年6月期:70万6700円
  • 2025年12月期:70万2200円

年間で合計すると、140万8900円が支給されています。

すでに見てきた通り、国家公務員の平均月給は42万4979円です。

これを1年分に換算すると509万9748円となり、そこにボーナスを加えると、年収は650万8648円となります。

では、民間企業の「ボーナスを含めた年収」はどれくらいでしょうか。

3.2 「民間企業」ボーナスを含めた年収

一方、国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、民間企業の賞与を含めた平均年収は477万5687円です。

平均値で比べると、国家公務員の年収は民間企業より173万2961円高い水準となっています。

なお、民間企業の場合、企業規模や業績、個人の評価などによって年収に大きな差が生じます。

好調な企業では、国家公務員を上回る年収を得ている人も少なくありません。

4. 数字から見えてくる、国家公務員の給与の特徴

国家公務員の年収の特徴は、突出した高さというよりも、景気や業績の影響を受けにくく、安定した水準が保たれやすい点です。

俸給を中心にした仕組みや、民間とのバランスを取るための調整、職種ごとに設けられた差など、いずれも安定性を意識した設計となっています。

収入の安定性を重視するか、成果による上振れを狙うかで、民間企業と国家公務員の見え方は変わってくるでしょう。

参考資料

苛原 寛