4. 結論:「オルカン」か「S&P500」を選べば安心なのか?
これまで見てきたように、「これを買っておけば絶対に安心」という万能な投資商品は存在しません。
オルカンとS&P500もそれぞれに長所と短所があります。
過去の実績を振り返ると、設定来の長期的な視点ではS&P500のパフォーマンスが優れていましたが、直近1年という期間で見ればオルカンの方が良い結果でした。
このように、投資を始めるタイミングや売却するタイミングによって、得られる成果は大きく変わります。
NISAのつみたて投資枠を活用した毎月の積立投資は、購入時期を分散させることで時間的なリスクを軽減する効果が期待できます。最終的に「オルカン」と「S&P500」のどちらを選ぶか、あるいは両方に投資するかは、ご自身のリスク許容度や投資方針によります。
最も重要なのは、商品のリスクを十分に理解し、無理のない範囲で長期的に投資を継続することです。
この記事では人気ファンドとして「オルカン」と「S&P500」をピックアップして比較しましたが、これ以外にも高パフォーマンスをあげているファンドはあります。
- どういう目的で投資をしたいのか?
- 何年間、運用できるのか?
- 積立投資なのか一括投資なのか?
- どれくらいのリスクを許容でき、どれくらいのリターンを求めたいのか?
などによって、どのファンドが適しているのかが違ってきます。
そもそも投資信託以外の金融商品が最適なケースもあるでしょう。まずは、ご自身の投資意向を整理して、どういう金融商品やファンドが良いのか、十分に検討してみてください。
※再編集記事です。
参考資料
- LIMO「【辰巳天井→午尻下がりでどうなる?!】2025年の運用成果「オルカン」・「S&P500」どちらが良かった?「分散投資」はパフォーマンスにどう影響したのか 」
- 金融庁「つみたて投資枠対象商品の分類(2025年12月19日時点)」
- 三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」
- 三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」
- 金融庁「資産運用シミュレーション」
- 金融庁「新しいNISAの概要」
和田 直子