2024年の辰年、2025年の巳年は、まさに相場格言の「辰巳天井」を地で行くように、日経平均株価や金価格が連日の史上最高値を更新する歴史的な上昇相場となりました。
続く2026年は「午(うま)年」。格言では「午尻下がり」とされ、警戒感を持つ投資家も少なくありません。しかし、こうした転換期こそ、投資の「基本」に立ち返るチャンスです。
資産形成の第一歩として多くの人が検討するのが、圧倒的な人気を誇る「オルカン(全世界株式)」と「S&P500(米国株式)」でしょう。2025年という激動の1年間で、この両ファンドはどのようなパフォーマンスの差を見せたのでしょうか。米国一国に集中する強さと、世界に分散する安定感。それぞれの実力を徹底比較します。
1. そもそも「オルカン」と「S&P500」は何が違うの?
オルカンとS&P500は、どちらも市場全体の値動きに連動する「インデックスファンド」です。
ただし、投資対象(=中身)が異なります。
1.1 オルカン(全世界株式)
オルカンとは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」という投資信託の通称です。
日本を含む先進国、新興国の株式約3000銘柄以上に投資しています。
2025年11月28日時点の組入上位10ヵ国・地域
国・地域 比率
- アメリカ 63.9%
- 日本 4.8%
- イギリス 3.2%
- カナダ 2.9%
- フランス 2.3%
- 台湾 2.1%
- スイス 2.0%
- ドイツ 2.0%
- ケイマン諸島 1.8%
- インド 1.7%
2025年11月28日時点の組入上位10銘柄
銘柄 国・地域 業種 比率
- NVIDIA CORP アメリカ 情報技術 4.7%
- APPLE INC アメリカ 情報技術 4.4%
- MICROSOFT CORP アメリカ 情報技術 3.7%
- AMAZON.COM INC アメリカ 一般消費財・サービス 2.4%
- ALPHABET INC-CL A アメリカ コミュニケーション・サービス 2.0%
- BROADCOM INC アメリカ 情報技術 1.9%
- ALPHABET INC-CL C アメリカ コミュニケーション・サービス 1.7%
- META PLATFORMS INC-CLASS A アメリカ コミュニケーション・サービス 1.5%
- TESLA INC アメリカ 一般消費財・サービス 1.3%
- TAIWAN SEMICONDUCTOR MANUFAC 台湾 情報技術 1.2%
1.2 S&P500(米国株)
S&P500は、「アメリカを代表する企業500社の株価をまとめた指標」で、世界で最も注目されている株価指数です。
ただし、オルカンと比較される時に出てくる「S&P500」は、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P 500)」という投資信託を指すことが多く、本記事でもこの投資信託を指しています。
投資対象はアメリカの主要企業500社。アメリカを代表する大企業で構成されています。
2025年11月28日時点の資産構成
- 実質外国株式 100.0%
・内 現物 98.7%
・内 先物 1.3%
・コールローン他 0.0%
2025年11月28日時点の組入上位10銘柄
銘柄 国・地域 業種 比率
- NVIDIA CORP アメリカ 半導体・半導体製造装置 7.5%
- APPLE INC アメリカ テクノロジ・ハードウェア・機器 7.0%
- MICROSOFT CORP アメリカ ソフトウェア・サービス 6.1%
- AMAZON.COM INC アメリカ 一般消費財・サービス流通・小売り 3.8%
- BROADCOM INC アメリカ 半導体・半導体製造装置 3.2%
- ALPHABET INC-CL A アメリカ メディア・娯楽 3.2%
- ALPHABET INC-CL C アメリカ メディア・娯楽 2.5%
- META PLATFORMS INC-CLASS A アメリカ メディア・娯楽 2.3%
- TESLA INC アメリカ 自動車・自動車部品 2.0%
- BERKSHIRE HATHAWAY INC-CL B アメリカ 金融サービス 1.6%