2. 「オルカン」か「S&P500」か《設定来と直近1年間の運用実績を比較》
オルカンとS&P500の運用実績を比較していきましょう。
2.1 オルカンの基準価額および純資産総額の推移
- 設定日:2018年10月31日
- 設定来の運用実績:+226.05%
- 直近1年間の運用実績:+18.96%
2.2 S&P500の基準価額および純資産総額の推移
- 設定日:2018年7月3日
- 設定来の運用実績:+286.58%
- 直近1年間の運用実績:+14.72%
2.3 設定来の運用実績は「S&P500」が「オルカン」を上回る
オルカンとS&P500ではファンドの設定日が3カ月ほど異なります。
そのため正確に比較はできませんが、設定来の運用実績は「S&P500」の方が上回っています。
- オルカン:+226.05%
- S&P500:+286.58%
2.4 直近1年の運用実績は「オルカン」が「S&P500」を上回る
オルカンとS&P500の運用実績を直近1年間で比較すると、オルカンがS&P500を上回っています。
- オルカン:+18.96%
- S&P500:+14.72%
どちらのファンドも、直近1年間で10%を超えるリターンを記録しており、設定来で見ても200%を超える高いパフォーマンスを示しています。
直近1年間の成績に注目すると、米国1国に集中投資するS&P500を、投資対象を世界各国に分散した「オルカン(全世界株式)」が上回る結果となりました。
S&P500は米国経済の成長を取り込める一方で、米国でネガティブな出来事が起きた場合、その影響をダイレクトに受けやすいという側面があります。これに対しオルカンは、米国株が下落しても、他の国や地域の株式が好調であれば、その影響を一定程度抑えることができます。
このように、資産運用において「分散」は極めて重要な考え方です。
さらに分散を進めると、短期的なリターンは「オルカン」や「S&P500」といった株式100%のファンドに比べて控えめになる可能性がありますが、株式に加えて国内外の債券を組み合わせることで、相場急落時のクッションとなり、より安定的なリスク管理が期待できます。
分散投資の代表的なモデルとして参考になるのが、私たちの年金積立金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)です。
次章では、GPIFの分散投資による堅実な年金積立金の運用成果を見ていきましょう。

