貯金800万円と聞くと高給取りなのだろうと考えがちですが、年収にかかわらず貯金できている人は実はたくさんいます。どうやって貯金しているのか不思議に思う人もいますよね。
そこで今回は、年収が350万円前後で800万円以上のお金を貯めているAさん、Bさんに話を聞いてみました。彼女たちは2人とも「年収と貯金額はあまり関係がない」と言い切ります。彼女たちの話から、貯まる人の考え方や貯金、節約のポイントをご紹介します。
損切りがうまく、埋没費用効果に左右されない
お金をしっかり貯められる人は損切りが非常に上手です。人生において、損切りはとても大切なことなのですが、意外と意識していないことが多いと思います。
「埋没費用効果 (sunk cost effect)」という言葉があります。これは、何らかの対象に金銭的・精神的・時間的投資を続けることが損失につながるとわかっていても、それまでの投資が惜しくてやめられないことをいいますが、こうした状態に陥ってしまう人も少なくないでしょう。
多少の損失が出たとき、そのまま何も手を打たずにいるのか、損失が拡大する前に早めに手を引くのか、その判断が重要です。Aさんはお金をむやみやたらに使いたがる彼氏を損切り。またBさんは、実にならなかったゴスペルの習い事を損切りしていました。そういった思い切りが必要なのです。
前者で言えば、彼氏と付き合うため、彼氏と仲良く過ごすために多くの投資をしてきました。オシャレをしたり、彼氏が好きなスポーツの試合に何度も足を運んだりして、それまでにいくら投資したかわからないと言います。しかし、この先の損失のことを考えて別れを告げたそう。
ゴスペルの習い事を切ったBさんにしても、自分にはそもそもあまり向いていない、今後続けても自分のためにならなさそうだと話していました。人には向き不向きがありますし、自分のためになるのかどうかを客観的に、冷静に判断することは大事ですね。
本当に必要なものか見かけだけのものかを見極められる
お金が貯まる人というのは、本当に必要なものなのかどうかを見極める目を持っています。この視点があるのとないのでは大違いで、お金を大事にするという意味でも重要な視点になってきます。たとえば、モノを買うときでも不要不急のものは買わないときちんと自分の中で決めています。「ほしいもの」と「必要なもの」を分けて考えることができるのです。
Bさんは「欲しいブランドの財布をアウトレットで安く売っていた。ちょうど今使っている財布もちょっとキズがついてきたし、買っちゃおうかと思ったけれど、よく考えたら不要不急だと思った。必要だから買う、という発想ではなく、欲しいから買う理由を探すという発想になっている自分に気付いた」と、ちょっとしたエピソードを話してくれました。
欲しいという気持ちが先行してしまい、買う理由を探すようではまだ買うべきときではないのでしょう。彼女はそれ以来、できるだけ冷静に判断するよう心掛け、本当に必要なものだけを買う生活を続けていると言います。
自分にできること、できないことを客観視することができる
先の習い事の話にもあったように、自分のことを客観的に判断することも大事です。実にならない習い事や何も生まれない飲み会など、損切りすべきことはたくさんあります。同じように、貯金や節約も自分の性格的にできること、できないことを客観的に考えるのが大事なのです。