3. 給付の裏で扶養控除の見直しがなされる場合も
上記の給付金や高校の学費無償化など子育て世代向けの支援が拡充されている裏で、負担増となりうる税制改正も検討されています。そのなかでも特に話題となっているのが「高校生の年代の扶養控除」の縮小です。
扶養控除は、課税所得を圧縮して所得税・住民税の負担を抑える制度ですが、しばしば「給付金」拡充の代わりに控除の制度が縮小されます。
例えば子ども手当の創設や児童手当の給付に際しては、年少扶養親族(~15歳)に対する扶養控除(38万円)がすでに廃止されています。また、高校生の扶養控除も平成22年に削減されています。そのときも「高校生の学費無償化との引き替え」との説明がなされていました。
この高校生の扶養控除については、足元のさらに縮小の議論が国会でなされています。必ずしもすぐに実行されるとは限りませんが、万が一実行されると、給付や支援はもらえても税負担が増大する形となります。
子育て世代への支援の拡充が進むのはいいことですが、このように控除の縮小などとセットで実施され、全てを総合すると経済的なメリットが小さい場合も想定されるので注意しましょう。
著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)/元銀行員/金融ライター
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)保有。大学卒業後、株式会社三菱UFJ銀行にて主にリテール営業に従事した。とくに銀行では国内外株式の仲介、国内外の債券、投資信託、生命保険、住宅ローンなどの販売に携わり、全国表彰歴あり。金融機関勤務後は経験を活かし、株式会社モニクル傘下の株式会社モニクルリサーチ(旧:株式会社ナビゲータープラットフォーム)に入社。
現在はくらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部にて、厚生労働省管轄の厚生年金保険と国民年金(老齢年金・障害年金・遺族年金)、年金制度の仕組み、社会保障、貯蓄、資産運用、NISA、iDeCo、住宅ローン、カードローン、為替相場、株式投資などを中心に記事の企画・執筆・編集・監修をおこなっている。Yahoo!ニュース経済カテゴリでアクセスランキング1位を多数達成。(2025年8月25日更新)
監修者
マネー編集部社会保障班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに社会保障制度や社会福祉、公的扶助、保険医療などをテーマに関する記事を執筆・編集・公開している。
マネー編集部社会保障班は、地方自治体職員出身の太田彩子、日本生命保険相互会社出身の村岸理美、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子など、豊富な経験と知識を有した編集者で構成されている。表彰歴多数の編集者も複数在籍。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務や、国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担った実務経験者も在籍している。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。(最新更新日:2025年8月26日)