2. 厚生年金加入者の現状は?「パートタイマーの平均年齢が高い」背景とは
厚生労働省の『令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』によれば、現在、厚生年金(第1号)に加入している会社員や公務員は全体で4211万人おり、前年度末から54万人増加しました。
男女別の内訳は以下の通りです。
- 男性:2512万人(前年度末比で14万人、0.6%の増加)
- 女性:1699万人(前年度末比で40万人、2.4%の増加)
このうち、一般被保険者の平均年齢を見ると、男性が45.4歳、女性が43.8歳となっており、比較的若い世代が中心であることがうかがえます。
一方で、短時間労働者に目を向けると、平均年齢は男性が52.9歳、女性が49.9歳と、一般の被保険者よりも高くなる傾向があります。
この背景には、子育てが一段落した女性や、定年後も働き続けるシニア層が短時間労働者に多く含まれていることが考えられます。
特に短時間労働者の中には、60歳以降も厚生年金に加入しながら70歳まで働くことで、将来の年金受給額を増やせる「年金受給世代に近い層」が多く含まれていると推測されます。
このように平均年齢が高いことは、社会保険の適用が拡大されることで、将来の年金額を増やす機会が広がっていることを示唆しています。
今後、働き方を見直して社会保険に加入することは、老後の生活設計をより安定させるための有力な選択肢となるでしょう。
このような「働き方の見直し」を後押しするのが、最近成立した年金制度の改正です。
次の章では、社会保険の加入対象がどのように広がり、私たちにどのようなメリットをもたらすのかを具体的に見ていきます。


