60歳以上の“ふつう”は月いくら？年金の平均受給額【国民・厚生】年齢別の推移を一覧表で解説

3. 【全体・男女別】国民年金・厚生年金の平均受給月額

次に、年齢で区切らず、60歳以上の受給者全体における国民年金と厚生年金の平均月額を、男女別に見ていきましょう。こちらのデータも、厚生労働省年金局の「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」に基づいています。

【一覧表】60歳～90歳代以上《国民年金・厚生年金》平均年金月額

国民年金の平均月額は、全体および男女別に見てもすべて5万円台で、男女間の差は比較的小さいことが特徴です。これは、国民年金が加入期間に応じて支給額が決まる制度であるためと考えられ、受給額の分布も男女ともに6万円から7万円台に集中しています。

対照的に、厚生年金（国民年金を含む）の平均月額では、男女差が顕著になります。男性が16万円台であるのに対し、女性は10万円台と大きな差があります。受給額の分布を見ても、男性は16万円から19万円、女性は9万円から11万円あたりが中心となっており、傾向の違いが明確です。

この男女差の背景には、現役時代の働き方の違いが影響していると推測されます。一般的に、男性の方が女性に比べて勤続年数が長く、賃金水準も高い傾向にあるため、結果として厚生年金の加入期間が長くなり、納付する保険料も多くなることが一因です。

もちろん、これらの数値はあくまで平均であり、個々人の状況は様々です。受給額は1万円に満たないケースから20万円を超えるケースまで幅広く分布しています。ご自身の加入記録やこれまでのキャリアを基に、将来受け取れる年金額を具体的に把握することが、現実的な老後資金計画の第一歩となります。