財務省は2025年12月3日、個人向け国債の新たな発行条件を発表しました。今回の募集では、変動10年型が1.23%、固定5年型が1.35%、固定3年型が1.10%と、全タイプで金利1%を超える水準です。

特に、2025年12月4日から12月30日まで募集される変動金利タイプ(変動10年)は1.23%と魅力的な水準にあります。

また、2025年12月18日から19日にかけて開催される日銀金融政策決定会合の結果次第では、さらなる金利引き上げの可能性も考えられます。もし金利が引き上げられれば、半年ごとに金利が見直される変動金利タイプにとって追い風となるかもしれません。

この記事では、2025年12月募集の個人向け国債の発行条件を詳しく見るとともに、特に注目される「変動10年型」の金利推移について解説します。

1. 「個人向け国債」の基本を解説!3つの種類とその特徴

個人向け国債とは、日本政府が個人の投資家向けに発行している債券のことです。

国が元本保証と利息の支払いを約束しているため、日本国内で利用できる金融商品の中では、非常に安全性が高い資産と位置づけられています。

個人向け国債は「変動金利タイプ」と「固定金利タイプ」に大別され、それぞれ満期までの期間が異なります。

1.1 変動金利型(10年満期)の特徴

  • 半年ごとに適用利率が更新される仕組みです。
  • 金利には年率0.05%の最低保証が設けられています。
  • 市場の金利が上がった場合、それに連動して受け取る利息が増える点が大きなメリットです。

1.2 固定金利型(5年満期)の特徴

  • 購入時に設定された利率が、満期まで変わらないのが特徴です。

1.3 固定金利型(3年満期)の特徴

  • 5年満期と同様に、発行時の金利が満期まで固定されます。

2025年12月4日(木)から12月30日(火)の期間で募集される個人向け国債の金利は、下記のとおり設定されています。

  • 変動金利型10年:1.23%(前月11月募集分は1.10%)
  • 固定金利型5年:1.35%(前月11月募集分は1.19%)
  • 固定金利型3年:1.10%(前月11月募集分は0.99%)

変動10年、固定5年、固定3年のすべての種類で、11月募集時よりも利率が上がっているのが見て取れます。

1.4 応募額で見る人気度:「固定5年」がトップ、次点で「変動10年」

財務省が公開した『個人向け国債の応募額(令和7年10月)』によれば、2025年10月における種類別の応募額は次の通りでした。

  • 個人向け利付国庫債券(変動10年)第187回債:1246億円
  • 個人向け利付国庫債券(固定5年)第175回債:2323億円
  • 個人向け利付国庫債券(固定3年)第185回債:941億円

このデータを見ると、固定5年タイプが最も多くの応募額を集めており、人気が高いことがわかります。