5.1 「資産寿命」を延ばすために意識したいポイント
貯蓄の内訳を見ると、全体の約66%を預貯金が占めており、株式や投資信託といった有価証券は約18%にとどまっています。
長い老後を見据えると、単に資産を保有するだけでなく、できるだけ減らさずに使い続ける視点が重要になります。
とくに物価が上昇している局面では、預貯金は金額自体が変わらなくても、実質的な価値が目減りする可能性があります。
そのため、インフレに比較的強い資産を組み合わせるなど、リスクを抑えた形で分散投資を取り入れ、資産全体で物価上昇に備える工夫が、資産寿命を延ばすうえで欠かせないでしょう。
6. まとめにかえて
長寿化が進むいま、資産を預貯金として持っているだけでは十分とは言えなくなっています。
シニア世代に入ってからも、資産をできるだけ長く使い続けるための工夫、いわゆる「資産寿命」を意識した取り組みが欠かせないでしょう。
「人生100年時代」を生きる私たち現役世代にとって、老後の安心度は、早い段階からどれだけ丁寧に準備を重ねてきたかによって大きく左右されます。
年末年始は、お金や暮らしを見直す良い機会です。
NISAやiDeCoといった税制優遇制度を活用し、将来に向けた資産形成の「種まき」を検討してみるのも一つの方法でしょう。
また、「老後資金の準備」というと、貯蓄や資産運用に目が向きがちですが、公的年金についての理解を深めておくことも重要です。
公的年金には、65歳より前に受給を始める「繰上げ受給」や、受給開始を遅らせて受給額を増やす「繰下げ受給」といった選択肢があります。
事前に知っておくことで、自分に合った形で制度を活用できる可能性が広がります。
日々の家計管理を丁寧に行い、着実に貯蓄を積み上げる習慣とあわせて、年金をはじめとする「公的な支援」にも意識を向けておくことが、長い老後を安心して過ごすための土台となるでしょう。
著者
マネー編集部社会保障班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに社会保障制度や社会福祉、公的扶助、保険医療などをテーマに関する記事を執筆・編集・公開している。
マネー編集部社会保障班は、地方自治体職員出身の太田彩子、日本生命保険相互会社出身の村岸理美、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子など、豊富な経験と知識を有した編集者で構成されている。表彰歴多数の編集者も複数在籍。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務や、国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担った実務経験者も在籍している。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。(最新更新日:2025年8月26日)
監修者
二種外務員資格(証券外務員二種)記者/編集者/校閲者/
【保有資格】
ニ種外務員資格(証券外務員二種)・相続診断士・認知症介助士・終活ガイド資格1級保有。
【経歴】
二種外務員資格や相続診断士などの資格を保有し、「お金とくらし」にまつわる情報を専門的かつ丁寧に発信する金融メディア編集者・ライター。
早稲田大学第一文学部史学科卒。人文・社会系一般書籍、中学・高校社会科教材、就職試験問題の制作関連業務で15年以上の経験を持つ。また、大手人材派遣会社における採用管理業務などの実務経験もある。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』において、金融系メディアの編集者兼執筆者として、コンテンツ制作や編集を担当。
総務省「家計調査」・厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査」などの一次資料に基づくデータ記事の執筆に強み。
専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも記事執筆をおこなう。紙媒体での経験に加え、家族の介護を通じて得た知見を生かしながら、「お金とくらし」にまつわる情報を丁寧に発信している。(2026年7月9日更新)