4. NISA利用の注意点

非課税制度や安全性など、メリットが多い新NISA制度ですが、利用にあたって注意点も存在します。ここからは、NISA口座を利用するにあたって、理解しておく必要があるポイントをお伝えします。

4.1 損失の繰越・通算ができない

NISA口座での投資で損失が発生した場合、通常の特定口座や一般口座と異なり、「損益通算」や「繰越控除」の恩恵を受けることができません。

損益通算とは、同一年に発生した利益と損失を相殺できる制度で、繰越控除は損失を最大3年間繰り越して将来の利益と相殺できる仕組みです。

NISA口座では、投資利益が非課税になる一方で損失の通算や繰越が適用されないため、例えば、NISA口座での投資で損失が出た場合であっても、一般口座で得た利益と相殺することはできず、一般口座で得た利益はそのまま税金が課されることになります。

NISA口座内でのみ投資を行っている場合には、利益が非課税になるため問題とはなりませんが、一般口座と掛け合わせて複数の投資を行っている人などは、注意をしなければいけないポイントです。

4.2 対象商品に制限がある

新NISA制度では「つみたて投資枠」「成長投資枠」それぞれで、購入できる商品に一定の制限があります。

【つみたて投資枠】
購入できるのは、金融庁が定める基準を満たした投資信託のみです。投資家を保護し、初心者でも商品を選びやすくするため、信託報酬の水準、運用期間の実績、分散投資の徹底などの基準によって選定されています。

【成長投資枠】
成長投資枠では、企業の成長投資につながる家計から資本市場への資金の流れを後押しする観点から、上場株式等への投資も可能です。

上場株式・投資信託・REIT・ETFから商品を選択することができる一方で、「長期的な資産形成」にそぐわない、上場廃止懸念のある株式、デリバティブ取引、毎月分配型・高レバレッジ型の投資信託などは利用できません。

このような購入制限は投資家を守るためのものではありますが、希望する商品が選択できない場合には、NISA口座以外で投資を行う必要があります。

4.3 選択できる金融機関は1社のみ

新NISA制度では、同一年に利用できる金融機関は1社に限定されています。そのため、複数の金融機関で同時に非課税枠を使うことはできません。成長投資枠とつみたて投資枠両方を使う場合には、双方同じ金融機関にする必要があります。

金融機関の変更は原則として暦年単位で行うことができますが、手続きには一定の期間を要し、年の途中での変更はできません。

変更には手間も時間も掛かるため、始めに解説をする金融機関は、手数料の安さ、操作性のよさや手軽さ、サポート体制など、自分の投資スタイルに応じて慎重に選ぶ必要があります。